
またミスしてしまっていたたまれない…

職場で浮いてる気がして、居づらい…
職場で発達障害(ASD・ADHD)の特性を抱えながら働くと、
ミスが続いたり、人間関係で距離を感じたりして、居心地の悪さに耐えられなくなることがあります。
- ASD女性は、空気を読むのが難しくて雑談に入れない
- ADHD女性は、抜け漏れやケアレスミスが多くて自己嫌悪に陥る
そんな毎日が続くと、
「いっそカミングアウトしてしまいたい」
と思う瞬間もあるかもしれません。

私も同じで、隠して働くのがしんどくて、実際にカミングアウトしました。
でも、カミングアウトにはメリットもあればデメリットもあります。
「本当に今、伝えるべき?」と迷ったときのヒントを、この記事でまとめました。
カミングアウトのメリットとデメリット
メリット|配慮・理解・自分らしく働ける
カミングアウトをする一番のメリットは、
「無理をしなくてよくなる」ことです。
メリット①配慮を受けやすくなる
たとえば「電話対応が苦手」と伝えれば、メール中心に変えてもらえることも。
ADHD女性なら「急ぎの仕事は声かけしてほしい」など、抜け漏れ防止のサポートを受けやすくなります。
メリット②ストレスが減る
「発達障害がバレないように頑張らないと…」というプレッシャーから解放され、気持ちが少しラクに。
メリット③理解してもらえる
行動の理由が伝われば、誤解や陰口が減り、人間関係がスムーズになる可能性も。
メリット④自分らしく働ける
無理に“普通”を演じる必要がなくなり、長く安心して働きやすくなります。
デメリット|偏見・関係変化・自信喪失のリスク
カミングアウトにはメリットもありますが、
伝えたことで逆につらくなる可能性もあります。
デメリット①偏見や誤解を受ける可能性
「甘えてるんじゃない?」と正しく理解されないことも。
デメリット②関係性の変化
腫れもの扱いされたり、距離を置かれたりすることがあります。
逆に、簡単な頼みごとや雑務ばかり回されるケースも。
デメリット③不当な扱いにつながる場合も
担当業務を減らされたり、昇進が難しくなることもゼロではありません。
デメリット④自分で「できない人」と思ってしまう
ラベルを貼られたような気持ちになり、自信を失う場合も。

正直に伝えたら、逆に居心地が悪くなった…ということもあります。
伝えるタイミングと注意点
カミングアウトは、「いつ伝えるか」もとても大切です。
タイミングを間違えると、せっかくの勇気が裏目に出てしまうこともあります。
伝えていいタイミング
①入社時に伝える
会社が配慮に前向きな場合は、一番スムーズに受け入れてもらえるタイミングです。
事前に配慮を得られるので、最初から無理せず働けます。
②困りごとがはっきり出てきたとき
たとえばADHD女性なら、抜け漏れやミスが続いて困っているとき。
ASD女性なら、雑談や会議が負担で体調に影響が出そうなとき。
具体的な困りごとと一緒に伝えると理解されやすくなります。
③つらくて体調を崩しそうなとき
ギリギリまで我慢せず、心身を守るために伝えることが大切です。
「守るためのカミングアウト」は、立派な自己防衛です。

無理して限界を迎える前に、
「自分を守るために伝える」選択も大事です。
避けたほうがいいタイミング
カミングアウトは勇気のいる行動ですが、
タイミングを誤ると逆効果になることもあります。
①大きな業務を任される直前
「なぜ今?」と相手に負担を感じさせる可能性があります。
プロジェクトの山場や繁忙期は、避けるのが無難です。
人間関係がまだできていない初期での唐突な告白
相手に準備がない状態で伝えると、驚かれたり誤解されることもあります。
まずは信頼できる上司や人事にだけ相談するほうが安心です。
感情が高ぶったときの勢いで伝える
叱責やミスの直後などに衝動的に話すと、伝え方が感情的になり、誤解を招くリスクがあります。

「もう限界!」と思った瞬間に伝えたくなるけど、
落ち着いてタイミングを見極めることも大事なんです。
「誰に」「何を」伝えるか
カミングアウトをするときは、「誰に」「何を」伝えるかを事前に考えておくことが大切です。
すべてを正直に話す必要はありません。
誰に伝える?
まずは直属の上司や人事など、最小限の人だけに伝えるのがおすすめです。
同僚や他部署に話すかどうかは、信頼関係ができてからでOKです。
何を伝える?
診断名だけでなく、具体的に困っていることと、希望する配慮をセットで伝えます。
「電話でのやりとりが苦手なので、メール対応をメインにしていただけると助かります」
「締め切り前は作業に集中したいので、声かけを減らしていただけるとありがたいです」
ポイントはこちら
- 全部を話す必要はない
- 診断名+困りごと+希望する配慮の3点セットで伝える
- 感情的にならず、冷静に落ち着いて話す

必要なことだけ、冷静に伝えれば大丈夫。
それだけでも誤解はぐっと減ります。
判断基準①|職場の理解度を見極める
カミングアウトする前に、「この職場は受け入れてくれそうか?」を冷静に見極めましょう。
職場の理解度を知るヒントはこちらです。
- 多様性や個性を大切にする雰囲気があるか
- 過去に障害をオープンにした社員がいて、受け入れられているか
- 上司や人事のふだんの言動に偏見がないか
理解度が低い職場でのカミングアウトは、誤解や孤立につながるリスクがあります。

「なんとなく、この職場では言わないほうがいいかも…」
そんな直感も、意外と大事です。
判断基準②|リスクを許容できるか
カミングアウトは勇気のいる行動です。
だからこそ、「もしうまくいかなかった場合のこと」も想像してみましょう。
- 人間関係がぎこちなくなる
- 担当業務を減らされたり、昇進が難しくなる
- うわさだけが広まり、配慮は得られないままになる
こうしたリスクがゼロとは言えません。
でも、事前に想定しておけば、「いざとなれば動ける」という安心材料にもなります。
- カミングアウトしなかった場合の働き方はどうなるか?
- 万が一うまくいかなかった場合の逃げ道はあるか?
- 最悪の場合は転職や部署異動も視野に入れられるか?

事前に「逃げ道」を決めておくことで、心の余裕ができて、冷静に判断できます。
失敗の可能性が高そうなら、今の職場でできる工夫は他にないか、もう一度考えてみるのもひとつです。
カミングアウトを決める前のチェックリスト
カミングアウトを検討している方は、以下のチェックリストで現在の状況を整理してみましょう。
職場環境のチェック
□ 上司は普段から多様性を理解する発言をしている
□ 職場に障害のある社員がいて、受け入れられている
□ 同僚との信頼関係がある程度築けている
□ 人事制度や配慮に関する相談窓口がある
□ ハラスメントや差別的な発言が少ない職場
自分の状況のチェック
□ 具体的に困っていることが明確になっている
□ 希望する配慮内容を整理できている
□ 冷静に落ち着いて話せる状態
□ 万が一うまくいかなかった場合の対応策を考えている
□ 転職や部署異動も選択肢として考えられる
タイミングのチェック
□ 繁忙期や大きなプロジェクトの直前ではない
□ 感情的になっているときではない
□ 信頼できる人に相談する時間的余裕がある
□ 自分の体調や精神状態が安定している

判断の目安
□が10-14個:慎重に検討し、信頼できる人に相談してから決めましょう
□が9個以下:今はカミングアウトを控え、環境改善や転職を検討することをおすすめします
わたしの経験から伝えたいこと
わたしは過去に、思い切って会社で発達障害をカミングアウトしたことがあります。
でも、そのときの経験は、正直つらいものでした。
一般雇用に挑戦したときのことです。
障害者雇用で安心して働けるようになったことで、
「もしかして、わたしは普通の人と同じように働けるかも」
そんな自信がわいて、思い切って一般雇用の会社に転職しました。
けれど、現実は想像以上に厳しいものでした。
- 会議の指示は早口で、一度では理解できない
- 隣の人の電話や雑音で頭が真っ白になる
- メモを取りながら話を理解するのが追いつかない
毎日が「聞き取れない・理解できない・仕事ができない」の三重苦。
家に帰るころには、心も体もヘトヘトでした。

人と信頼関係を作るのも苦手だったので、社内でも孤立していったのもつらかったです。
そして入社から3か月。
試用期間の面談で、勇気を出して困りごとを伝えてみました。
- 雑音があると聞き取りづらいこと
- 隣の電話が混乱の原因になること
- 早口の話は理解できなくて、ミスにつながること
- 口頭の指示はチャットかメールにしてほしいこと
不器用ながらも、何度も練習して落ち着いて話せたと思います。
でも、返ってきた言葉は――
「みんなそうだよ」
「忙しいときは自分で工夫してね」
その瞬間、「あ、これ、言ったの失敗だ…」と胸が冷たくなりました。
期待していた自分が恥ずかしくて、笑顔で「がんばります」と答えるしかありませんでした。
その後も状況は変わらず、「発達障害らしいよ…」とウワサまで広まってしまいました。
そして、だんだん体の調子が悪くなっていき適応障害に。
会社は休職を認めてくれましたが、最終的には退職となってしまいました。

この職場でのカミングアウトは失敗に終わりましたが、自分で決めて伝えたことだったので、後悔はしていません。
成功談|障害者雇用で安心して働けた経験
一般雇用でのつらい経験を経て、わたしは「無理に普通の環境で頑張るのはやめよう」と心から思いました。
その後、転職エージェントに相談し、障害者雇用での働き方を選ぶことにしました。
面接の段階から、担当者や上司候補の方がとても丁寧で、
- どんな特性があるか
- どんな配慮が必要か
をじっくり聞いてくれました。
さらに、
「実際に働くときは、指示はチャット中心にしましょう」
「ミスがないかダブルチェックする体制を整えますね」
と、具体的な配慮の方法まで提案してくれたんです。

最初から「理解してもらえる」環境で働ける安心感は、
本当に大きなものでした。
現在は、完全在宅で、雑音や人間関係のストレスを最小限に抑えられる働き方になり、落ち着いて働けています。
「普通の世界で無理をするより、自分に合った環境で働くことが何より大事」
そう実感しています。
まとめ|自分がラクでいられる選択を
発達障害(ASD・ADHD)のカミングアウトには、勇気とエネルギーが必要です。
伝えることでラクになる人もいれば、隠したままのほうが働きやすい人もいます。
どちらも、間違いではありません。
一番大事なのは、あなたがラクでいられること。
・伝えるならタイミングと内容を整理する
・逃げ道や次の選択肢を用意しておく
この3つを意識しておくだけで、「焦って伝えて後悔…」というリスクはぐっと減ります。

あなたが「これでいい」と思える選択をしてくださいね。
自分で選んで大丈夫です。
そして、今の職場でのカミングアウトが難しそうなら、「理解のある環境に転職する」という選択肢もあります。
障害者雇用で最初からオープンに働ける職場を見つけることで、カミングアウトの悩み自体から解放される可能性もあります。
迷ったときは、↓の記事も読んでみてくださいね。

