仕事が続かないのは甘えじゃない|発達障害女性が知っておきたい原因と対策

しごとの悩み
また辞めたくなってきた…私って社会人として向いてないのかな
みんなは普通に働いてるのに、どうして私だけこんなに続かないんだろう…

そんな風に感じたことはありませんか?

「まわりに合わせる」ことを頑張っている女性ほど、職場で一人抱え込んでしまい、限界まで我慢して結果的に辞めてしまうパターンはよくあります。

でも、仕事が続かないのは「甘え」ではないんです

この記事では、ASD・ADHDの私の体験を交えながら、仕事が続かない本当の理由と、無理せず働き続けるためのコツをお伝えしていきます。

この記事でわかること

  • 発達障害女性が仕事を続けにくい5つの理由
  • 無理なく仕事を続けるための4つの対策
  • 環境を変える勇気が必要なとき
この記事を書いた人
彩音

・ASD×ADHD(精神2級)(ASD寄り)
・双極性障害Ⅱ型
・公務員→障害者雇用→一般雇用→障害者雇用(現在)
・転職エージェント経由で完全在宅の転職に成功
・就労移行支援の利用も2回経験あり
・発達障害でも無理なく働くヒントを発信中。

発達障害女性が仕事を続けられない5つの理由

どうして私たちは「普通に働く」ことがこんなに難しいんだと思いますか?

それは実は、発達障害女性の特性が関係しているんです。

理由①「カモフラージュ疲れ」で心のエネルギーがなくなる

まず一つ目が、「普通の人」を演じ続けることによる心の疲れです。

小さい頃から「まわりに合わせる」ことを学んできた私たちは、職場でも無意識に普通の人に見えるよう、カモフラージュをしてしまいます。

  • 相手の表情を真似して「自然な会話」に見せる
  • 興味のない雑談でも、興味があるふりをする
  • 本当は一人でいたいのに、みんなと一緒に行動する

このカモフラージュは、想像以上にエネルギーを消耗します。

家に帰ると「もう何もできない…」という状態になり、回復するのに時間がかかります。

毎日この状態が続くと、心のバッテリーは常に空っぽ。

そんな状態では、どんなに頑張っても長続きしません。

「普通にしてるだけ」でこんなに疲れるのが私たちなんです。

理由②キャパオーバーで思考が停止する

発達障害の人の脳は、同時に処理できる情報量が人より少なめ。

だから、少しのことでキャパオーバーをしがちです。

キャパオーバーを起こしやすい職場の刺激:

  • 電話の音、キーボードの音、人の話し声が重なる
  • 「ついでにこれも」と急に頼まれる追加作業
  • 会議中に別の人から話しかけられる
  • 背後を人が通る気配や視線
  • 蛍光灯の光や空調の音

こうした刺激が重なると、脳が「フリーズ」したような状態になります。

  • 頭が真っ白になって何も考えられない
  • 簡単な作業なのに手が動かない
  • 話しかけられても反応が遅れる
  • いつものルーティンすら忘れてしまう

このとき、周りからは「ぼーっとしている」「やる気がない」と見えているかもしれませんが、実際は脳がパンクしている状態なんです。

理由③報連相のタイミングがわからず孤立する

発達障害女性の多くが「困っても誰かに頼れず、ひとりで抱えこんでしまう」特徴があります。

これは、適切な報連相のタイミングがわからないことが大きな原因です。

報連相で困ること:

  • 「こんなことで質問していいのかな」と悩んでタイミングを逃す
  • 上司が忙しそうで声をかけられない
  • どの程度詳しく報告すればいいかわからない
  • 「察してもらえる」と思い込んで伝えそびれる

その結果:

  • 問題を一人で抱え込んで大きくしてしまう
  • 報告が遅れて信頼を失う
  • 相談できる関係を築けず職場で浮く
  • ミスが重なり評価が下がる

「なんで早く言わなかったの?」と思われることが続くと、ますます相談しづらくなる悪循環に陥ります。

ASDの人が苦手な『報連相』

理由④完璧主義とミスの多さで自己肯定感が急降下

発達障害女性には完璧主義の傾向が強い一方で、注意不足によるケアレスミスも多いという矛盾があります。

完璧主義的な特徴:

  • 100%を目指さないと気が済まない
  • 小さなミスでも自分を激しく責める
  • 「できて当たり前」のハードルが高すぎる

でも実際は:

  • 気をつけていてもケアレスミスが多い
  • 確認したはずなのに見落としがある
  • 集中力にムラがあり一定のパフォーマンスを保てない

この ギャップにより、自己肯定感がどんどん下がっていきます。

  • 「また失敗した、私はダメな人間だ」
  • 「みんなは普通にできるのに、なぜ私だけ…」
  • 「もう信頼されていないかもしれない」
完璧を目指すあまり、小さなミスでも自分を責めすぎてしまうんですよね

発達障害の人に多い完璧主義

理由⑤リセット症候群で突然限界がくる

上記の①〜④が積み重なると、ある日突然「もう無理」という状態になります。これが発達障害女性によくある「リセット症候群」です。

リセット症候群の流れ:

  1. カモフラージュやキャパオーバーで毎日消耗
  2. 報連相がうまくいかず孤立感が増す
  3. ミスが続いて自己肯定感が急降下
  4. 限界まで我慢して心のバッテリーがゼロに
  5. 「全部投げ出したい」という衝動に襲われる

リセット症候群のサイン

  • 朝起きた瞬間に「もう無理」と思う
  • 会社に向かう電車で涙が出てくる
  • 「消えてしまいたい」と思うことが増える
  • 気づいたら「辞めます」と口にしていた

これは心の防衛反応で、決して「甘え」や「根性不足」ではないんです。

むしろ、限界まで頑張りすぎた結果です。

私も同じパターンで何度も挫折しました

私も今まで、このパターンを何度も繰り返していました。

最初の数ヶ月は愛想の良さと気配りで「感じのいい新人」として受け入れられます。

でも、時間が経つにつれて…

  • 雑談が苦手でだんだん距離を置かれる
  • 理解が遅くて同じことを何度も確認してしまう
  • ケアレスミスが続いて注意されることが増える
  • 報連相のタイミングがつかめず、後で問題になる
  • 周囲の目が冷たくなり、味方もいなくなる

そして最終的には、

  1. 相談できる人もおらず、すべて一人で抱え込む
  2. 毎日家に帰ると涙が出るほど疲れ果てる
  3. 「もう限界」という感情が爆発する
  4. 勢いで退職を決めてしまう

毎回「今度こそ頑張ろう」と思うのですが、環境や仕事内容が自分に合わない限り、同じパターンの繰り返しでした。

このパターンから抜け出すには、やる気ではなく「環境や働き方を変える」ことが必要でした

無理なく仕事を続けるための4つの対策

では、どうすれば無理なく仕事を続けられるようになるのでしょうか。

ここからは具体的な対策をお伝えします。

対策①自分の「つまづきパターン」を言語化する

まず重要なのは、なぜ続かないのかを具体的な言葉で整理してみましょう。

しんどいかもしれないですが、漠然と「つらい」「続かない」と感じているだけでは、対策が見えてきません。

つまづきパターンの例:

  • マルチタスクで頭がパンクしてミスが増える
  • 雑談や飲み会の人間関係で消耗しすぎる
  • 報連相のタイミングがつかめず孤立する
  • 急な変更や曖昧な指示で混乱する
  • 感覚過敏でオフィス環境に疲れ果てる

具体的な分析方法:

  1. これまでの仕事を振り返り、「一番つらかったこと」を3つ書き出す
  2. それぞれについて「なぜそう感じたのか」を掘り下げる
  3. 共通するパターンを見つける
  4. 「これさえなければ続けられた」ポイントを特定する

パターンが明確になることで、次の転職や職場選びで同じ失敗を避けられます。

【特性別】自分に合った仕事を見つけるヒント|自己分析の仕方

対策②環境との相性を客観視する

つまづきパターンが分かったら、今の職場環境が自分に合っているかを冷静に評価してみましょう。

発達障害女性に合いにくい環境

  • 騒がしくて刺激の多いオープンオフィス
  • マルチタスクや急な変更が日常的
  • 雑談中心で人間関係が濃密
  • 曖昧な指示や「察して」文化
  • 飲み会や社内イベントが頻繁

発達障害女性に合いやすい環境

  • 静かで集中できる個室やブース席
  • ルーティンワーク中心で変更が少ない
  • 必要最小限の人間関係
  • 具体的で明確な指示がもらえる
  • 在宅勤務や柔軟な働き方ができる

対策③必要な配慮を具体的にお願いする

今の職場で少しでも働きやすくするために、具体的な配慮をお願いすることも重要です。

お願いしやすい配慮の例:

  • 指示を口頭だけでなく、メールやチャットでも共有してもらう
  • 集中できる席への移動(窓際、角の席など)
  • 定期的な1on1面談の設定
  • 業務の優先順位を明確にしてもらう
  • ノイズキャンセリングイヤホンの使用許可

配慮のお願いの仕方:まずは信頼できる上司や人事に相談

  1. 困っていることを具体的に説明
  2. 「こうしてもらえると助かります」と具体案を提示
  3. 必要に応じて診断書や意見書を提出

カミングアウトの記事もあるので読んでみてください。

もし発達障害の診断がある場合は、障害者雇用での転職も検討できます。

正式な配慮を受けながら安心して働ける選択肢です。

障害者雇用で見るべきポイント

対策④自分に合う環境への転職を前向きに検討する

配慮をお願いしても改善されない、または根本的に環境が合わない場合は、転職を前向きな選択として検討しましょう。

転職は「逃げ」ではなく「自分に合う環境を選ぶ」賢明な判断です。

発達障害女性におすすめの働き方

  • 在宅ワーク:刺激をコントロールでき、マイペースで働ける
  • 障害者雇用:配慮を受けながら安心して働ける
  • 少人数職場:複雑な人間関係を避けられる
  • ルーティン業務中心:変化によるストレスが少ない
  • 個人作業メイン:集中力を活かせる

転職活動のポイント:

  • 転職エージェントで職場環境を詳しく確認する
  • 面接で働き方や配慮について質問する
  • 可能であれば職場見学をお願いする
  • 発達障害に理解のある企業を優先して選ぶ
自分を守るための転職は、前向きで必要な選択です

【発達障害×女性】転職活動の進め方5ステップ

働き続けるために大切な考え方の転換

最後に、仕事を続けるために大切な考え方の転換についてお伝えします。

「できないこと」より「できていること」に注目する

私たちはつい「できなかったこと」ばかりに注目してしまいますが、実はちゃんとできていることもたくさんあります。

できていることの例:

  • 毎日時間通りに出勤している
  • 挨拶やお礼はきちんとできている
  • 与えられた仕事は最後までやり遂げている
  • 困ったときは解決しようと努力している
  • 職場のルールを守って働いている

これらは当たり前ではなく、ちゃんと評価されるべきこと

まずは自分ができていることを認めて、自己肯定感を少しずつ回復させましょう。

強みと弱みの見つけ方

「普通に働く」ことにこだわらない

発達障害がある私たちにとって、「みんなと同じように働く」ことは必ずしも最善ではありません。

大切なのは:

  • 自分の特性を理解し、活かせる環境を見つける
  • 無理をせず、長期的に続けられる働き方を選ぶ
  • 周りと比較するのではなく、自分のペースを大切にする
「普通」に合わせるのではなく、「自分らしく」働ける道を見つけましょう

【体験談】一般雇用はしんどかった。発達障害の私が転職に成功した理由

まとめ:自分を責める前に、まず環境を見直してみて

仕事が続かないとき、私たちはつい「私がダメだから」「もっと頑張らなければ」と自分を責めがちです。

でも、仕事が続かないのは甘えではなく、環境や特性の不一致が大きな原因なんです。

覚えておいてほしいこと

  • 仕事が続かないのは、甘えではない
  • カモフラージュやキャパオーバーで疲れ果てるのは当然のこと
  • 環境を変えることは「逃げ」ではなく前向きな選択
  • あなたらしく働ける場所は必ずある
  • まずは自分ができていることを認めてあげる

あなたは毎日職場に通い、周りに合わせようと努力し、限界まで我慢してきたはず。

それは十分すぎるほど頑張った証拠です。

あなたらしく働ける環境は必ずあります。まずは自分を責めることをやめて、次の一歩を考えてみませんか?
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