
何をアピールすればいいの?
「雑談が苦手」「マルチタスクができない」「人の目が気になりすぎる」
発達障害の特性がある女性は、自分の短所ばかりに目が向きがちで、「私なんて何もアピールできない」と感じることが多いものです。
でも、自己PRは「すごい実績」や「特別な才能」を書く場所ではありません。
「私にはこんな良いところがあって、お仕事でこう活かせます」
それを分かりやすく伝えられれば、それで十分なんです。
この記事では、発達障害の特性がある女性が自分の強みを見つけて、魅力的な自己PRを作る方法をお伝えします。
- グレーゾーンの方:一般雇用で特性をポジティブにアピールする方法
- 診断済みの方:障害者雇用・一般雇用どちらでも使える書き方
- どちらも検討中の方:状況に応じて使い分けられる例文

発達障害女性が自己PRで悩みやすいポイント
まず、発達障害の特性がある女性が自己PRで感じやすい悩みを整理してみましょう。
失敗体験ばかりが思い浮かんでしまう
こんな経験はありませんか?
- 「また報連相のタイミングを間違えた…」
- 「雑談に入れなくて浮いてしまった」
- 「マルチタスクができなくて迷惑をかけた」
- 「気をつけていてもケアレスミスをしてしまう」
うまくいかなかった記憶ばかりが強く残り、小さな成功体験は忘れてしまいがちです。
「普通のこと」を強みだと思えない
- 「一人でコツコツ作業するのは、みんなできることでしょ?」
- 「丁寧に確認するのは当たり前じゃない?」
- 「集中して取り組むなんて、特別なことじゃない」
でも、実は「あなたが当たり前だと思っていること」が、企業にとって貴重な強みになることがたくさんあります。
カモフラージュで本当の自分がわからない
小さい頃から「普通」を演じてきた結果、本当の自分の得意なことや好きなことが見えなくなってしまうことがあります。
- 「みんなに合わせることに必死で、自分の意見がない」
- 「本当は何が好きなのかわからない」
- 「自然体でいられる場面が思い浮かばない」
でも大丈夫。これから一緒に、隠れている強みを見つけていきましょう。

自己PRの基本の考え方
自己PRを書く前に、まず基本的な考え方を整理しておきましょう。
自己PRは「仕事で活かせる強み」を伝える場所
自己PRは、ただ自分の性格や趣味を紹介する文章ではありません。
一番大切なのは、企業にとって「この人と一緒に働きたい」と思える情報を伝えることです。
たとえば、
「集中力があります」だけでは、企業はイメージしにくいですが、
「集中力を活かして、データ入力を1年間正確に続けました」
と書くと、仕事の役に立つ姿がはっきり伝わります。
「すごい実績」は必要ない
自己PRでは、華々しい実績や特別な才能は必要ありません。
- ちょっと得意なことがある
- それを仕事でどう活かせるかをイメージできる
この2つがセットになれば、短い文章でも十分に魅力的な自己PRになります。
自己PRでの特性の扱い方
自己PRでは、発達障害の特性について触れるかどうかはあなた自身が決めることです。
特性について触れない場合
- 「丁寧さ」「集中力」「継続力」などの強みとして表現
- 「個人の特徴」として自然に表現
- 働く環境の希望は面接で相談
特性について触れる場合
- 特性を強みとして積極的にアピール
- 配慮があれば力を発揮できることを伝える
- 過去の成功体験と特性を結びつける
どちらのアプローチも正解です。自分が安心できる方法を選んでください。

魅力的な自己PRを作る3つのポイント
自己PRを書くときは、次の3つのポイントを意識すると、企業に伝わりやすくなります。
1. 企業の視点で強みを伝える
自己PRは、自分が言いたいことだけを書く場所ではありません。
企業が「この人に仕事をお願いしたら、こんなふうに助かりそう」とイメージできることが大切です。
たとえば事務職なら、企業はこんな人を求めていることが多いです。
- ミスなく正確に作業できる
- 決まった手順をコツコツ進められる
- 静かな環境で集中して働ける
この場合、単に
「正確さに自信があります」
では弱く、
「前職では、毎日100件以上の伝票入力を、半年間ミスなく続けました」
と具体的に伝えると、「この人なら安心して任せられそう」と思ってもらえます。
2. 具体例や実績を入れる
自己PRは、エピソードを入れると説得力が一気に高まります。
書き方のコツは、PREP法(結論→理由→具体例→まとめ)です。
PREP法の例
- 【結論】 継続して取り組む力があります
- 【理由】 一つのことに集中すると力を発揮できるからです
- 【具体例】 前職では、毎日のデータ整理を1年間続け、業務効率化に貢献しました
- 【まとめ】 この継続力を活かして、御社でも安定した業務品質を提供したいです
長い文章でなくても、「何ができるか」と「その根拠」が伝わると十分です。
3. ポジティブかつ等身大で書く
発達障害のある私たちは、過去の失敗経験から「自分には強みなんてない」と思いがちです。
でも、自己PRではできることに目を向けることが大切です。
「○○が苦手です」よりも「△△なら得意です」
「大きな成果がない」なら「コツコツ続けたこと」を強みにする
また、誇張しすぎる必要もありません。

ポジティブで等身大の文章が、一番企業に安心感を与えます。
強みを見つける3つの方法
「自己PRに書く強みが思いつかない…」
そんなときは、次の3つの方法を試してみると、自然にヒントが見えてきます。
1. 日常や仕事で「うまくいったこと」を書き出す
大きな成果でなくても大丈夫です。
過去の経験を振り返って、少しでもうまくいったこと・褒められたことを思い出してみましょう。
うまくいった体験の例
- 「資料の整理を頼まれたら、期日までにきちんと終わらせられた」
- 「新しいソフトの使い方を覚えるのが早かった」
- 「毎日同じ作業でも、コツコツ続けられた」
- 「細かいチェック作業で、見落としがちなミスを発見できた」
小さく見える経験でも、あなたの強みの立派な証拠になります。
2. 発達障害の特性をポジティブに変換する
苦手の裏には、必ず得意があります。
発達障害の特性を「仕事に活かせる形」に変換すると、強みが見えてきます。
ASDタイプの特性
特性: 変化や変更が苦手、ルーティンを好む
仕事での強み:
- 決まった手順を正確に実行できる
- 継続的に同じ品質を保てる
- 安定した業務遂行ができる
特性: 細かいことが気になる、完璧主義
仕事での強み:
- ミスやエラーを見つけるのが得意
- 品質管理への意識が高い
- 丁寧で正確な作業ができる
ADHDタイプの特性
特性: 興味のあることに集中しすぎる
仕事での強み:
- 好きな分野では高い集中力を発揮
- 新しいことに積極的に取り組める
- 短期集中で成果を出せる
特性: 思いついたらすぐ行動してしまう
仕事での強み:
- アイデアを形にする行動力がある
- フットワークが軽い
- 新しい提案や改善に積極的
3. 第三者の視点を借りる
自分では気づかない強みもたくさんあります。
- 家族・友人に「私の得意なことって何だと思う?」と聞いてみる
- 転職エージェントに相談して客観的な視点をもらう
- 過去の上司や同僚からもらった評価を思い出してみる

【ASDタイプの女性向け】自己PR例文
ASDタイプの方は、集中力や正確性、コツコツ取り組む力が強みになりやすいです。
例文①:集中力と正確性
静かな環境で作業に没頭すると、長時間でも集中力を維持できます。
前職では、毎日200件以上のデータ入力を担当し、半年間ミス0件で続けることができました。
貴社のデータ処理業務でも、この集中力と正確性を活かして、安定した業務品質に貢献したいと考えています。
例文②:継続力と責任感
一度始めた作業は責任を持って最後まで取り組むことができます。
前職では、半年間かけて紙資料のデータ化を担当し、毎日少しずつ作業を進めて期限内にすべて完了させました。
この継続力を活かして、貴社のバックオフィス業務でも正確で安定したサポートを提供したいです。
例文③:特性を含めて説明する場合
変化の多い環境は苦手ですが、安定したルーティン業務では高い集中力と正確性を発揮できます。
前職では、毎日のデータ入力業務を1年間継続し、月次レポートでは常に品質評価Aを維持していました。
適切な環境があれば、この特性を活かして貴社の業務品質向上に貢献できると考えています。
ポイント
- 例文①②:特性については触れず、「個人の特徴」として表現
- 例文③:特性を自然に説明しつつ、強みとしてアピール
- どの例文も、具体的な実績で説得力を高めている
【ADHDタイプの女性向け】自己PR例文
ADHDタイプの方は、行動力・アイデア力・社交性が強みになりやすいです。
例文①:行動力とアイデア力
興味のあることには集中して取り組むため、企画や改善提案の業務で力を発揮できます。
前職では、業務効率化のための新しい手順を提案し、自ら試行錯誤して導入しました。
その結果、チーム全体の作業時間を20%短縮することができました。
この行動力と発想力を活かして、貴社でも業務改善や新しい取り組みに貢献したいです。
例文②:社交性とフットワーク
興味のあることには積極的に取り組めるため、接客や営業で力を発揮できます。
前職の販売職では、お客様との会話を大切にし、リピート率向上に貢献しました。
この社交性と積極性を活かして、貴社でもお客様に信頼していただける関係作りをしたいです。
例文③:特性を含めて説明する場合
一方で、長時間の単純作業は集中が続きにくいため、変化のある業務の方が力を発揮できます。
前職では、販促企画の立案・実行を担当し、季節ごとの新しいキャンペーンを提案して売上向上に貢献しました。
この創造性と行動力を活かして、貴社の成長に貢献できると考えています。
ポイント
- 例文①②:特性については触れず、「個人の特徴」として表現
- 例文③:特性を自然に説明しつつ、適性のある業務をアピール
- どの例文も、「仕事の成果」にどうつなげるかを重視

自己PRを書くときの注意点
特性について触れるかどうかの判断
特性について触れない場合
- まだ診断を受けていない
- 一般雇用で働きたい
- まずは強みだけでアピールしたい
特性について触れる場合
- 障害者雇用で応募する
- 面接で説明が必要になったとき
- 特性を強みとして活かしたい
どちらを選んでも構いません。あなたが安心できる方法を選択してください。
避けたい表現
- 「○○ができません」 → 「△△なら得意です」に変換
- 「普通の人のようには」 → 比較表現は避ける
- 「障害のせいで」 → 特性は強みとして表現
文字数の目安
- 履歴書:150〜200文字程度
- 職務経歴書:200〜300文字程度
- エントリーシート:指定文字数の8割以上
転職エージェントの活用法
自己PRは、転職エージェントと一緒に作ると、より魅力的になります。
エージェントと一緒に作るメリット
- 客観的な視点でアドバイスをもらえる
- 企業目線での魅力的な表現を教えてもらえる
- 応募企業に合わせたカスタマイズができる
- 面接での説明方法も一緒に考えてもらえる

転職エージェントについては、ここで書くと長くなるので、気になる方はおすすめエージェント記事を読んでみてください。
まとめ:あなたらしい自己PRを作ろう
自己PRは、無理に自分を大きく見せる文章ではありません。
「自分にできること」を仕事でどう活かせるかを、シンプルに伝えられれば十分です。
自己PR作成のステップ
- まずは、小さな成功体験や褒められたことを思い出してみる
- 発達障害の特性を、強みに変換してみる
- 短くてもいいので、具体的なエピソードを添えて書く
- 応募する雇用形態に合わせて表現を調整する
この4つを意識すれば、自己PRは必ず形になります。
最初は一文だけでも大丈夫。
この記事の例文を参考に、自分の言葉で少しずつ自己PRを書いてみてください。
あなたの特性や経験は、きっと仕事の中で活かせる強みになります。

