

そんなふうに感じている女性へ。
もしかすると、あなたにはASD・ADHDなどの発達特性があるかもしれません。
小さい頃から「ちょっと周りと違う」「人とのコミュニケーションが苦手」「集中力にムラがある」と感じていた女性は、面接で特に苦労することが多いです。
- 練習では話せたのに本番で固まってしまう
- 想定外の質問でパニックになる
- 緊張で頭がボーッとして質問に集中できない
- 話しすぎたり、逆に何も言えなくなったりする
- 後から「あれを言えばよかった」と後悔の連続
私自身、ASDとADHDの診断があり、面接のたびにこんな経験をしてきました。
でも、いろいろ試行錯誤するうちに気づいたんです。
しっかり準備して対策を取ることで、面接の不安は大幅に軽減できるということを。
この記事では、私の実体験をもとに、発達特性のある女性が面接を乗り切るための具体的な準備方法と当日の工夫をお伝えします。
診断を受けている方も、「もしかして…」と思っている方も、きっと「これなら面接も怖くない」と思ってもらえるはずです。

なぜ発達特性があると面接が苦手なの?
まず、なぜ発達特性のある女性が面接で苦労しやすいのか、その理由を理解しておきましょう。
ASD(自閉スペクトラム症)傾向の場合によくある困りごと
- 想定外の質問でパニック:事前に準備していない質問で頭が真っ白になる
- 相手の表情が読めない:面接官の反応が分からず不安になる
- 曖昧な質問の意図がわからない:「チームワークについてどう思いますか?」のような抽象的な質問に困る
- 話しすぎてしまう:興味のある話題になると止まらなくなる
- 場の空気が読めない:面接の「終了の雰囲気」に気づけない
ADHD(注意欠如・多動症)傾向の場合によくある困りごと
- 集中が続かない:緊張で頭がボーッとして質問に集中できない
- 思考がまとまらない:言いたいことが整理できず、要点がぼやける
- 落ち着きがない:じっと座っているのがつらい、貧乏ゆすりなどが出る
- 衝動的に話してしまう:考える前に話して、後で「しまった」と思う
- 時間の感覚がずれる:話が長くなりすぎたり、短すぎたりする
女性特有の困りごと
発達特性のある女性は、幼い頃から「周りに合わせること」を覚えてきたため、面接でも特有のプレッシャーを感じやすいです。
- 「普通っぽく見せなきゃ」プレッシャー:カモフラージュ(マスキング)による疲労
- 自分をアピールするのが苦手:謙遜する文化で育ち、強みを伝えるのが難しい
- 相談がうまくできない:困っても「迷惑をかけたくない」と一人で抱え込む
- 完璧主義による緊張:「一つも間違えてはいけない」と自分を追い込む

面接準備4ステップ:不安を自信に変える方法
STEP1:よく聞かれる質問の回答を準備する
面接では、ある程度決まったパターンの質問があります。まずはこれらに対する回答を用意しましょう。
必ず準備すべき基本質問5つ
1. 自己紹介をお願いします
一般雇用での回答例:「○○と申します。前職では事務職として3年間働いておりました。集中力を活かしてデータ入力や資料作成を得意としています。御社では、その集中力と正確性を活かして貢献したいと考えています。」
配慮を相談したい場合の回答例:
「○○と申します。前職では事務職として3年間働いておりました。私は新しい環境に慣れるまで少しお時間をいただくことがありますが、一度慣れれば集中して取り組めます。御社では、その集中力を活かして正確性が求められる業務に携わりたいと考えています。」
2. なぜ転職を考えたのですか?
回答例:「前職では多くのことを学ばせていただきましたが、より自分の特性を活かせる環境で働きたいと思ったからです。特に、集中して取り組める業務が多い御社なら、私の強みを発揮できると考えています。」
3. あなたの強みは何ですか?
回答例:「集中力があることです。一度取り組み始めると、時間を忘れるほど没頭でき、細かい作業でも正確性を保てます。前職では、データ入力の正確性が部署で一番高く評価されました。」
4. 働く上で大切にしていることはありますか?
一般雇用での回答例:「丁寧に取り組むことです。時間をかけてでも、正確で質の高い仕事を心がけています。また、わからないことがあれば素直に質問し、チームの一員として貢献したいと考えています。」
配慮を相談したい場合の回答例:
「丁寧に取り組むことです。私は急な変更が苦手なので、事前に教えていただけると安心して取り組めます。その分、決められた業務には責任を持って取り組みます。」
5. 何か質問はありますか?
回答例:「研修制度について教えてください。新しい環境に慣れるまでのサポート体制があるか知りたいです。」
「業務の進め方について、チームでの連携はどのような形で行われますか?」

よく聞かれる質問と答え方のコツの記事もあるので、見てみてください。
STEP2:模擬面接で本番に慣れる
一人で回答を考えるだけでは限界があります。実際に声に出して練習することが重要です。
模擬面接の効果的な受け方
1. 家族や友人にお願いする場合
- 事前に質問リストを渡しておく
- 本番と同じ服装で練習する
- 時間を計って実施する
- 録音・録画して客観的に確認
2. 転職エージェントを利用する場合
- プロの目線でフィードバックがもらえる
- 企業の特徴に合わせた質問をしてもらえる
- 特性に理解のあるアドバイスが受けられる
- 他の求職者の傾向も教えてもらえる
3. ハローワークや就労移行支援を利用する場合
- 無料で利用できる
- 発達特性を理解したサポートが受けられる
- 他の就職活動支援も一緒に受けられる
模擬面接で確認すべきポイント
□ 話すスピード:早口になっていないか
□ 声の大きさ:相手に聞こえる音量か
□ 視線:相手の目を見て話せているか(苦手な場合は額を見る)
□ 姿勢:背筋が伸びているか
□ 回答時間:長すぎず短すぎないか(1分~2分程度)
□ 話の構成:結論→理由→具体例の順番になっているか
STEP3:当日の流れをイメージしておく
ASD傾向がある場合、予測できない状況に不安を感じやすいです。当日の流れを具体的にイメージしておきましょう。
当日のタイムスケジュール例
面接開始2時間前
- 起床・朝食
- 服装・身だしなみチェック
- 持ち物確認
- 準備した回答の最終確認
面接開始1時間前
- 家を出発
- 電車の中で深呼吸・リラックス
- スマホで質問回答メモを軽く確認
面接開始30分前
- 会社に到着
- お手洗いで身だしなみ最終チェック
- 深呼吸して心を落ち着ける
- 「大丈夫、準備はしてきた」と自分に言い聞かせる
面接開始15分前
- 受付に到着の報告
- 待合室で静かに待機
- スマホは見ずに、心を整える
面接の流れ
- 入室:ノックして入り、お辞儀
- 挨拶:「よろしくお願いいたします」
- 着席:「失礼いたします」
- 自己紹介:簡潔に1分程度で
- 質疑応答:準備した回答をベースに
- 逆質問:事前に2-3個準備
- 退室:「ありがとうございました」

タイムスケジュールと、基本的な面接の流れを頭に入れておきましょう。
STEP4:困った時の「お守り」セリフを準備
どんなに準備をしても、想定外の質問や状況は起こり得ます。そんな時に使える「お守り」セリフを用意しておきましょう。
困った時に使えるセリフ集
- 質問が聞き取れなかった時
→ 「申し訳ありません、もう一度お聞かせいただけますでしょうか?」 - 質問の意図がわからない時
→ 「○○についてお聞きいただいているということでしょうか?」 - 答えがすぐに思いつかない時
→ 「少し考える時間をいただけますでしょうか?」 - 緊張で頭が真っ白になった時
→ 「緊張してしまい、整理する時間をいただけますか?」 - 答えを間違えた時
→ 「すみません、言い直させてください」 - 話が長くなりすぎた時
→ 「長くなってしまい申し訳ありません。要点は○○です」

当日の工夫:本番で力を発揮するために
服装・身だしなみのポイント
感覚過敏がある場合は、見た目だけでなく着心地も考慮することが大切です。
基本の考え方
- 清潔感が最重要:しわのないシャツ、きれいな靴
- 業界に合わせる:オフィス系なら落ち着いた色、クリエイティブ系なら少し個性もOK
- 自分が落ち着ける服装:新しい服より着慣れた服を
- 感覚過敏への配慮:タグが気になるなら事前に切る、肌触りの良い素材を選ぶ
女性の場合の注意点
- メイクは控えめに:ナチュラルメイクが基本
- アクセサリーは最小限:時計程度に留める
- 髪型は清潔に:きちんとまとめるか、整った状態に
- 香りは控えめに:香水は避けるか、ごく少量に
持ち物チェックリスト
必須アイテム
□ 筆記用具
□ 腕時計
□ ハンカチ・ティッシュ
□ 交通費・小銭
□ 身分証明書
あると安心アイテム
□ 会社の地図:迷わないように
□ 飲み物:のどの渇きに対応
□ お守りグッズ:心の支えになるもの
□ イヤホン:移動中のリラックス用
□ 常備薬:必要に応じて
緊張対策・リラックス法
前日にできること
1. 早めに就寝
- 睡眠不足は判断力を低下させる
- いつもより30分早く寝る
- スマホは寝る1時間前には見ない
2. イメージトレーニング
- 成功している自分をイメージ
- 「きっと大丈夫」と自分に言い聞かせる
- 面接官も人間だと思って親しみやすさを感じる
当日の朝にできること
1. ゆとりのあるスケジュール
- 遅刻の不安がないよう早めに準備完了
- 電車の遅延も考慮して余裕を持つ
2. 好きな音楽を聴く
- リラックスできる曲で心を落ち着ける
- テンションが上がりすぎない程度に
3. 軽い運動
- ストレッチや散歩で体の緊張をほぐす
- 深呼吸を意識する
面接直前にできること
1. 4-7-8呼吸法
4秒で息を吸い、7秒止めて、8秒でゆっくり吐く
これを3回繰り返す
2. 肩の力を抜く
- 肩を上げて力を入れ、一気に脱力
- 体の緊張がほぐれる
3. ポジティブな言葉を心の中で唱える
- 「私にはできる」
- 「準備はしっかりした」
- 「ありのままの私で大丈夫」
面接中の対応術:想定外にも落ち着いて
緊張した時の対処法
その場でできる緊張緩和法
1. ゆっくり話すことを意識
- 緊張すると早口になりがち
- 「。」の後に1秒間を空ける
- 相手のペースに合わせる
2. 視線の工夫
- 目を見るのが苦手な場合は相手の額を見る
- 相手には目を見ているように見える
- 時々手元の資料に目を落としてもOK
3. 手は軽く握る
- 膝の上で軽く手を握る
- 震えを防ぎ、落ち着きが保てる
よくあるトラブルと対処法
パターン1:質問の意味が分からない
❌ 避けたい対応
- 分からないまま適当に答える
- 黙り込んでしまう
- 「分かりません」で終わらせる
⭕ おすすめ対応
「申し訳ありません。○○について聞かれているということでしょうか?」「具体的には、どのような点についてお聞かせいただけますか?」
パターン2:答えを忘れてしまった
❌ 避けたい対応
- パニックになる
- 「忘れました」で終わらせる
- 嘘をついて取り繕う
⭕ おすすめ対応
「少し整理する時間をいただけますか?」
→ 深呼吸して、関連することから話し始める「緊張してしまって、改めて考えさせてください」
→ 素直に伝えることで好印象につながることも
パターン3:話しすぎてしまった
❌ 避けたい対応
- 止まらずに話し続ける
- 関係のない話に脱線する
⭕ おすすめ対応
「長くなってしまい申し訳ありません。要点は○○です」「簡潔に申し上げますと、○○ということです」
パターン4:面接官の反応が冷たく感じる
❌ 避けたい対応
- 「嫌われた」と思い込む
- 表情を気にしすぎて話に集中できない
⭕ おすすめ対応
- 面接官も緊張している可能性がある
- 自分の話に集中する
- 表情より話の内容で判断してもらう
- 「相性の確認」だと思って気楽に構える
特性別の対策
ASD傾向の場合の工夫
予測不能への対応
- 「想定外の質問が来ても大丈夫」と心構えをしておく
- 完璧を求めすぎない
- 「分からないことを聞くのも評価の一つ」と考える
コミュニケーションの工夫
- 相手の表情に惑わされないよう、話すことに集中
- 沈黙を恐れず、考える時間を取る
- 興味のある話題でも時間を意識する
ADHD傾向の場合の工夫
集中力の維持
- 面接時間は限られているので「今だけ頑張る」
- 面接官の話にしっかり耳を傾ける
- メモを取りながら聞く(許可があれば)
思考の整理
- 結論から先に話す
- 「3つのポイントがあります」など構造を明確に
- 一度に全部話そうとせず、聞かれたことに答える

面接後のフォローアップ
面接が終わったらすること
当日中にやること
1. 振り返りメモを作成
- うまく答えられた質問
- 答えに困った質問
- 面接官の印象
- 会社の雰囲気
- 自分の感じた手応え
2. 次回への改善点を整理
- 同じ失敗を繰り返さないために
- 良かった点も忘れずに記録
- 使えそうな「お守りセリフ」があったかチェック
翌日以降にやること
1. お礼のメール(必要に応じて)
- 企業によってはお礼メールが好印象
- 簡潔で丁寧な文章を心がける
- 長文は避け、感謝の気持ちを素直に表現
2. 結果を待つ間の過ごし方
- 結果を気にしすぎず、他の活動も並行
- 不合格でも次につながる経験と考える
- 転職活動の息抜きも大切にする
不合格だった場合の考え方
落ち込むのは当然
- 面接の結果に一喜一憂するのは普通
- まずは自分の気持ちを受け入れる
- 「私がダメ」ではなく「タイミングの問題」
次につなげる視点
- 「縁がなかった」と考える:企業とのマッチングの問題
- 「練習になった」と考える:次の面接での経験値アップ
- 「もっと良い会社がある」と考える:ポジティブに次を探す
- 「面接スキルが上がった」と考える:回数を重ねるほど上達する
改善点を見つける
- 何が原因だったか冷静に分析
- 転職エージェントがいれば相談
- 次の面接で活かす
- 準備不足だった部分を補強

まとめ:面接は「お互いを知る時間」
面接を「試験」だと思うと緊張してしまいますが、実は「お互いがマッチするかを確認する時間」です。
企業側も「この人と一緒に働きたいか」を見ていますし、私たちも「この職場で働きたいか」を判断しています。
発達特性があることを隠そうとせず、工夫しながら自分らしさを伝えることが大切です。
無理に「普通」を演じる必要はありません。
あなたの特性も含めて理解してくれる職場こそが、本当に働きやすい環境なんです。
診断を受けている方も、「もしかして…」と思っている方も、自分の特性を理解して工夫することで、面接への不安は必ず軽減できます。

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