
転職したいけど、何をアピールすればいいの?

「雑談に合わせるだけで疲れてしまう」
「マルチタスクができない自分はダメな人間だ」
「みんなと同じようにできない私には価値がない」
発達障害の特性がある女性は、本当の自分の強みや価値を見失いがちです。
でも、それは本当にもったいないこと。
あなたには必ず、気づいていない強みや価値があります。
それを見つけるのが「キャリアの棚卸し」です。
キャリアの棚卸しとは、これまでの経験を振り返って整理し、自分の強み・価値観・働きやすい環境を明確にする作業のこと。
この記事では、発達障害の女性が5つのステップで進められるキャリア棚卸しの方法をお伝えします。
- 「私には何もない」と思っている方でも、隠れた強みが見つかる
- 転職活動の自己PRに活かせる具体的な材料が手に入る
- 次の職場選びで失敗しないための判断基準が明確になる

発達障害女性がキャリアで抱えやすい悩み
まず、発達障害の特性がある女性が、キャリアや仕事について感じやすい悩みを整理してみましょう。
失敗体験ばかりが印象に残ってしまう
- 「また報連相のタイミングを間違えた…」
- 「みんなは簡単にやってることができない」
- 「マルチタスクができなくて迷惑をかけてしまった」
- 「人間関係がうまくいかずに孤立してしまった」
うまくいかなかった記憶ばかりが強く残り、小さな成功体験は忘れてしまいがちです。
自分を過小評価してしまう
- 「私なんて特別なスキルなんてない」
- 「アピールできるような経験なんてない」
- 「みんなができることができないダメな人間だ」
- 「転職なんて無理かもしれない」
こんな風に「自分はダメだ」という理由を探してしまいがちです。
でも本当は、あなたには自分でも気づいていない「強みが」必ずあります。
キャリアの棚卸しをすることで、隠れている強みや価値に気づくことができるんです。

なぜ発達障害女性にキャリア棚卸しが特に重要なのか
隠れた本当の強みを発見できる
発達障害女性は、自分のダメなところばかり目につきやすく、自分の本来の能力や特性を見落としがちです。
でもキャリア棚卸しをすることで:
- 自然にできていたことが実は貴重なスキルだったと気づける
- 疲れずにできる作業が自分の適性だったとわかる
- 周りから評価されていたポイントを客観的に整理できる

このように、だんだん自分の強みが見えてきます。
働きやすい環境の条件がハッキリする
過去の経験を振り返ることで、「どんな環境なら安心して働けるか」が見えてきます。
棚卸しで明確になること
- 得意な作業スタイル:一人作業 or チーム作業
- 働きやすい環境:静かな職場 or 活気のある職場
- 適している業務:ルーチンワーク or 変化の多い業務
- 必要な配慮:指示の明確化、優先順位の整理など
転職活動での自信につながる
棚卸しで整理した内容は、そのまま履歴書・職務経歴書・面接で活用できます。
- 自己PR:具体的なエピソードをもとに強みをアピール
- 志望動機:自分の価値観と企業の方向性の一致を説明
- 面接対応:質問されても落ち着いて答えられる
【5ステップ】発達障害女性のためのキャリア棚卸し方法

ここからは、具体的なキャリア棚卸しの進め方を5つのステップで解説します。
STEP1:これまでの経験を「事実だけ」で整理する
最初のステップは、感情や評価を入れずに、事実だけを書き出すことです。
書き出す内容
基本情報
- 会社名、部署名、職種、雇用形態、在籍期間
- 具体的な業務内容(日常業務、特別なプロジェクトなど)
- 使用していたツールやソフト
- 取得した資格や研修
発達障害女性特有の視点
- 受けていた配慮(障害者雇用の場合)
- 工夫していたこと(メモの取り方、確認方法など)
- サポートしてくれた人や制度
記入例
一般事務(A社、正社員、2022年4月〜2024年3月)
- データ入力業務(1日平均200件)
- 請求書作成・管理
- 電話対応(1日10〜20件)
- Excel、Word、専用システム使用
- 工夫:指示はメモに書いてもらう、チェックリスト作成
この段階では、「得意だった」「苦手だった」などの感情は書かないで大丈夫です。
まずは客観的な事実を見える化することが大切です。

STEP2:それぞれの経験に「気持ち」を添える
STEP1で書き出した事実に、その時の気持ちや感情を簡潔に添えます。
感情の書き方例
- データ入力業務 → 「集中できて楽しかった」
- 電話対応 → 「緊張して疲れた」
- チェックリスト作成 → 「安心感があった」
- 一人作業の時間 → 「ホッとした」
- 急な依頼対応 → 「混乱して不安だった」
発達障害女性特有の感情も大切に
- 「気を遣いすぎて疲れた」 → 人間関係の負担が大きい環境だった
- 「自然体でいられた」 → 理解のある職場環境だった
- 「認められている感じがした」 → 特性を活かせる業務だった
- 「いつも緊張していた」 → ストレスの多い環境だった
長文で書く必要はありません。
一言でも感情を記録しておくことで、次のステップで自分の価値観が見えやすくなります。
STEP3:成功パターンと苦手パターンを見つける
STEP2までで整理した内容を見返して、うまくいったときと苦労したときの共通点を探します。
成功パターンの例
- 静かな環境で一人作業をしているとき → 集中力を活かせる
- 手順が明確な業務をしているとき → 正確性を発揮できる
- 理解のある上司のもとで働いているとき → 安心して力を発揮できる
- 細かいチェック作業をしているとき → 注意深さが評価される
苦手パターンの例
- 複数の作業を同時に求められたとき → マルチタスクが困難
- 曖昧な指示で進めなければならないとき → 明確な指示が必要
- 雑談の多い職場にいるとき → カモフラージュで疲労
- 急な変更や依頼が多いとき → 予定変更への対応が困難
パターンを強みと課題に変換する
成功パターン → 強み
- 静かな環境での集中 → 高い集中力
- 手順を守る → 正確性・責任感
- 細かいチェック → 注意深さ・品質管理能力
苦手パターン → 配慮が必要な点
- マルチタスクが困難 → 作業の優先順位を明確にしてほしい
- 曖昧な指示が苦手 → 具体的で明確な指示をお願いしたい

STEP4:スキル・能力を具体的に言語化する
STEP3で見つけた強みを、転職活動で使える「スキル・能力」として表現し直します。
ポータブルスキル(どの職場でも活かせるスキル)
- 継続力・集中力:一つのことにコツコツ取り組める
- 正確性:ミスなく丁寧に作業を進められる
- 責任感:与えられた仕事を最後まで責任を持って完了する
- 学習意欲:新しいスキルや知識を身につけることを惜しまない
- 誠実さ:約束や期限を守り、信頼される
テクニカルスキル(専門的なスキル)
- PC操作:Excel、Word、PowerPoint、特定のシステム操作
- データ処理:正確なデータ入力、集計、分析
- 事務処理:書類作成、ファイリング、スケジュール管理
- 品質管理:チェック作業、校正、検証
スキルの表現例
「一人でコツコツやるのが好き」
「集中力を活かし、正確性を重視したデータ処理業務が得意。長時間の集中作業でも品質を維持しながら効率的に進められる」
STEP5:次のキャリアの方向性を決める
最後のステップでは、ここまでの分析結果をもとに今後のキャリアの方針を決めます。
働き方の希望を整理する
働き方の軸を決める
- 環境面:在宅勤務、静かなオフィス、少人数職場など
- 業務面:個人作業中心、ルーチンワーク、専門性を活かすなど
- サポート面:理解のある上司、明確な指示、定期的なフィードバックなど
- 成長面:スキルアップ、資格取得、専門性の向上など
具体的なアクションプランを立てる
短期目標(3ヶ月以内)
- 転職エージェントに相談して、自分に合う求人を探す
- 履歴書・職務経歴書を棚卸し結果をもとに作成する
- 必要なスキルアップ(資格取得など)を始める
中期目標(6ヶ月〜1年)
- 理想の働き方ができる職場に転職する
- 新しい職場で自分の強みを活かす
- 継続的にスキルアップを図る

棚卸しを効率的に進めるコツ
時間を区切って取り組む
- 1回15〜20分を目安に、短時間で区切る
- 疲れる前にやめることで、継続しやすくなる
- 数日に分けて少しずつ進める
ツールを活用する
おすすめツール
- Excel・Googleスプレッドシート:項目ごとに整理しやすい
- マインドマップ:視覚的に整理できる
- ノート・メモアプリ:思いついたときにすぐ記録
完璧を求めない
- 60〜70%の完成度でも十分価値がある
- 後から追加・修正すればいいと割り切る
- 書き漏れがあっても気にしない
書類作成で迷ったときの相談先
「自分一人だと客観的な判断が難しい」
「本当にこの書類で大丈夫か不安」
そんなときは、書類作成のプロに相談するのも一つの方法です。
- 家族や信頼できる人に客観的な意見をもらう
- 転職エージェントと一緒に整理する
- キャリアカウンセラーに相談する
棚卸し結果を転職活動に活かす方法
転職エージェントとの面談で活用する
キャリア棚卸しの結果は、転職エージェントとの面談で非常に有効です。
エージェント面談での活用法
- 強みとスキル:「こんな業務が得意で、こんな成果を出せます」
- 希望条件:「静かな環境で個人作業中心の仕事を希望します」
- 配慮事項:「指示は具体的にいただけると力を発揮できます」
- 避けたい条件:「マルチタスクが多い職場は苦手です」
応募書類作成に活用する
- 職務経歴書:具体的な業務内容と成果を記載
- 自己PR:強みを裏付けるエピソードを記載
- 志望動機:自分の価値観と企業の方向性の一致を説明
面接対策に活用する
よくある質問への準備
- 「あなたの強みは?」 → 棚卸しで見つけた強みとエピソード
- 「なぜ転職を?」 → 自分の価値観と理想の働き方
- 「どんな配慮が必要?」 → 具体的で建設的な配慮事項
つまずきやすいポイントと対処法
ネガティブな記憶ばかり思い出してしまう
対処法:
- 意識的に「うまくいったこと」も一緒に書く
- 小さな成功体験も見逃さずに記録する
- 「完璧でなくても評価されたこと」に注目する
途中で挫折してしまう
対処法:
- 15分だけなど時間を区切って取り組む
- すべてを一度に完成させようとしない
- 疲れたら休憩して、また別の日に続ける
分析に時間をかけすぎて行動できない
対処法:
- 70%の完成度で次のステップに進む
- 転職エージェントと一緒に整理しながら進める
- 行動しながら修正していくスタンスを持つ

まとめ:キャリア棚卸しで見つける「私らしい働き方」
発達障害の特性がある女性は、自分の本当の価値を見失いがちです。
でも、キャリアの棚卸しをすることで、必ず隠れた強みや価値が見つかります。
キャリア棚卸し5ステップのまとめ
- これまでの経験を事実だけで整理
- それぞれの経験に気持ちを添える
- 成功パターンと苦手パターンを見つける
- スキル・能力を具体的に言語化
- 次のキャリアの方向性を決める
棚卸しで整理した内容は、そのまま転職活動の強力な武器になります。
- 転職エージェントとの面談で自分の希望を明確に伝えられる
- 履歴書・職務経歴書に説得力のある内容を書ける
- 面接で自信を持って自分の強みを話せる
- 職場選びで失敗しないための判断基準ができる
「私には何もない」と思っていたあなたにも、必ず価値ある経験と強みがあります。
一人きりで悩まず、転職エージェントなどの専門家のサポートを受けながら、あなたらしく働ける道を見つけていきましょう。


