うまく会話ができないのはなぜ?ASD女性に多い「APD(聴覚情報処理障害)」とは

女性の発達障害を知る

会話についていけない…
話は聞こえているのに、内容が頭に入ってこない…

そんなふうに感じて、つらくなることはありませんか?

実はそれ、あなただけではありません。

発達障害(ASD・ADHD)の女性には、

「話を聞いているのに、会話がうまく頭に入らない」
「気づいたら話題から取り残されている」

と感じる方が少なくありません。

その背景には、APD(聴覚情報処理障害)という特性が関わっていることもあります。

この記事では、発達障害女性が感じやすい
「会話のしんどさ」とAPDの関係について、わかりやすく解説します。

この記事を書いた人
彩音

・ASD×ADHD(精神2級)(ASD寄り)
・双極性障害Ⅱ型
・公務員→障害者雇用→一般雇用→障害者雇用(現在)
・転職エージェント経由で完全在宅の転職に成功
・就労移行支援の利用も2回経験あり
・発達障害でも無理なく働くヒントを発信中。

なぜ「普通に会話すること」がこんなにつらいの?

発達障害(ASD・ADHD)の女性は、子どものころから
「普通に見られるように」がんばってきた方が多いです。

  • 空気を読んで、相手に合わせて返事をする
  • 会話のテンポに遅れないように必死に頑張る
  • 忘れないように頭の中で何度も言葉を繰り返す

それでも、なぜか会話についていけない瞬間がある——

ちゃんと聞いてるのに、内容が頭に入らない…
次に何を返せばいいかわからなくて焦る…

ASD女性は「ことばの裏の意図を読み取るのが苦手」、ADHD女性は「注意がそれやすく、聞いた内容を保持しづらい」傾向があります。

このような特性に加えて、脳の情報処理のしかたが関係していることも。

その正体のひとつが、APD(聴覚情報処理障害)です。

APD(聴覚情報処理障害)とは?

APD(聴覚情報処理障害)とは、耳は聞こえているのに、内容をすぐに理解できない特性のことをいいます。

耳の聞こえそのものには問題がなく、脳で「意味のある言葉」として処理する部分に時間がかかるのが特徴です。

聞こえるのに意味が入ってこない仕組み

会話を聞くとき、脳の中では次のような処理が行われています。

  1. 耳が音をキャッチする(ここに問題はありません)
  2. 脳が音を「言葉」として理解する
  3. 理解した言葉を記憶に一時保存し、返事を考える

APDの特性があると、②や③の処理に時間がかかるため、

  • 返事がワンテンポ遅れる
  • 会話の内容が頭に入る前に次の話題に移ってしまう

といったことが起こります。

「聞こえてるのに、会話に追いつけない…」
そんな感覚は、APDによる情報処理のタイムラグかもしれません。

簡単チェックリスト|あなたも当てはまるかも?

次のようなことに思い当たる場合、APD(聴覚情報処理障害)の特性があるかもしれません。

  • 騒がしい場所だと、人の声が聞き取りづらい
  • 会話を聞き逃して「えっ?」と聞き返すことが多い
  • 話が長いと、途中で頭に入らなくなる
  • 電話やオンライン会議が苦手
  • 3人以上での会話になると、話題の流れについていけない
  • 「聞いてなかったの?」と誤解されやすい
  • 会話の内容を覚えておけず返事に困ることも

いくつか当てはまる場合は、「もしかしたらAPDなのかも」と意識してみましょう。

発達障害女性とAPDが重なるとどうなる?

発達障害女性には、次のような特性があります。

  • ASD女性は「空気を読みづらい」「ことばの裏の意図を理解しにくい」
  • ADHD女性は「注意がそれやすく、聞いた内容を保持しづらい」

これにAPDの「聞こえても理解が追いつかない」が重なると…

  • 会話のテンポについていけない
  • 話の意図を読み取れない・勘違いしやすい
  • 返事が遅れて「無口」「やる気がない」と誤解される
  • 必死に聞いているのに、雑談や会議が苦痛になる
  • 人と話すのが怖くなり、ますます会話を避ける悪循環に

このような悪循環が続くと、人間関係が疲れやすくなり、仕事や日常生活でも孤立感を感じやすくなります。

とくに女子の会話文化でつまずきやすい理由

女性同士の会話は、独特のテンポとルールがあります。

  • 感情のキャッチボールや共感が中心
  • 話題がコロコロ変わる
  • 「ノリ」や「空気」を読むことが大切

ASD・ADHD女性にAPDの特性が重なると、この会話文化はとてもハードルが高くなります。

次に何を話せばいいかわからない…
途中で話題が変わると、もうついていけない…

雑談や女子会、職場のランチなどでは、無口に見えたり、変わっていると思われたりすることもあります。

本人は必死に聞いているだけなのに、「やる気がない」と誤解されやすいのです。

そんな経験が重なると、会話自体が怖くなり、
ますます話せなくなってしまうこともあります。

わたしらしくコミュニケーションするために

ムリに会話に合わせなくてもOK

会話についていけないとき、
「何か話さなきゃ」「沈黙したら変に思われるかも」
と焦ってしまうことはありませんか?

でも、ムリに合わせて話そうとすると、かえって疲れてしまうもの。

頑張って話したのに、なんか浮いちゃった気がする…

そんなときは、聞き役に回るだけでも大丈夫です。

うなずいたり、笑顔で相槌を打ったりするだけでも、相手はちゃんと安心してくれます。

さらに、思い切って「少し聞き取りが苦手で、返事が遅れるかも」と伝えるだけで、気持ちがラクになることもあります。

「無理して話さなくてもいい」と思えるだけで、気持ちがずっとラクになりますよ。

無理せず1対1の関係を大切に

大人数での会話や雑談がつらいとき、「もっと社交的にならなきゃ」と思うと、さらに苦しくなります。

みんなは楽しそうなのに、私だけ馴染めない…

そんなときは、無理に大人数に合わせなくてもOK

自分のペースで話せる相手と、1対1でゆっくり関係を築くほうが、ずっと気持ちがラクになります。

相手の表情や反応をしっかり見られるので、「次に何を話そう」と焦らずにいられるのもメリットです。

あなたをちゃんと見てくれる人は、必ずいます。
まずは一人ずつ、ゆっくりつながっていきましょう。

話す以外のコミュニケーションを取り入れる

仕事の場面で会話のスピードについていけないと感じるなら、口頭だけに頼らず、文字でのやり取りを増やすのもおすすめです。

  • チャットやメールでのやり取りを中心にする
  • 会議で伝わったか不安なときは、メモを残す
  • 後で確認できる環境をつくる

このように工夫するだけで、理解のしやすさが大きく変わります。

文字で残しておくと記憶の抜け漏れをカバーしやすいというメリットもあります。

話すことだけがコミュニケーションじゃありません。
あなたのペースでやり取りできる方法を取り入れてみましょう。

ノイズキャンセリングイヤホンを活用

ノイズキャンセリングイヤホンを使うと、周囲の雑音を減らして、目の前の会話に集中しやすくなります。

  • 職場の雑音で話が聞き取りづらい
  • カフェや電車のアナウンスで会話が遮られる

そんなときにイヤホンを活用すると、「思っていた以上に聞き取りがラクになった」
という方は少なくありません。

機種によっては、周囲の声を強調するモードがあるものもあります。

環境に合わせて活用すれば、会話のストレスをぐっと減らせます。

イヤホンのおすすめは、↓の記事でも詳しく紹介しています。

【全部使ってみた!】APD/LiDの人におすすめノイズキャンセリングイヤホン
こんにちは。彩音といいます。 コンビニのBGM、電車のアナウンス、レストランのざわざわ… 音が多い場所にいると、なんだかグッタリしてしまう。 そんなふうに「音」で疲れてしまうことってありませんか? 実はこれ、聴覚情報処理に特性があるAPD/...

道具の力を借りるだけでも、会話のしんどさはぐっと減らせます。

さいごに|自分の特性を知ることが安心につながる

「なんとなく会話が苦手」
「いつもズレてしまう気がする」

そんな悩みの背景に、ASDやADHDの特性、そしてAPD(聴覚情報処理障害)が関係していることがあります。

自分の特性を知れば、工夫や環境調整で、無理のないコミュニケーションの方法を選べるようになります。

  • 聞き役に回る
  • 1対1の関係を大切にする
  • 文字でやり取りできる環境を整える
  • 道具の力を借りる(ノイズキャンセリングイヤホンなど)

少しずつできることを増やしていけば、きっと「わたしらしい関わり方」が見つかります。

無理に「みんなと同じ」を目指さなくても大丈夫。
あなたのペースで、少しずつラクな道を選んでいきましょう。

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