

そんなふうに感じませんか?
ASD(自閉スペクトラム症)の特性を持つ女性は、無意識に人一倍エネルギーを消耗してしまいがちです。
- 会議で空気を読むだけで疲れ切ってしまう
- 雑談に入れずに、いつも一人でいることが多い
- 急な予定変更で頭が真っ白になってしまう
- 感覚過敏で職場の音や光がつらい
- みんなが理解していることが、自分だけわからない気がする
私自身、ASDの診断があり、働き始めた頃は毎日が本当に大変でした。
仕事にはなんとか必死でついていき、空気を読むことに神経を使い、雑談にも笑顔で参加していました。
でも帰宅するとソファに倒れ込み、「なんで私だけこんなに疲れるんだろう」と自分を責める毎日。
でも、疲れやすいのは、本当は私たちが悪いからじゃありません。
ASD女性には疲れやすくなる理由があるし、それに合わせた工夫をすればずっとラクになるんです。
この記事では、私自身が実践して効果があった、ASD女性がラクに働くための5つの具体的な工夫をご紹介します。
「毎日消耗して辛い」「自分はダメな人間だと思ってしまう」という方も、きっと「これなら私にもできそう!」と思える方法が見つかるはずです。

なぜASD女性は、普通の仕事でもぐったり疲れるのか
まず、なぜASD女性が疲れやすいのか、その理由を理解しておきましょう。
見えないところで人の何倍もエネルギーを使っている
ASD女性が疲れやすいのは、日常的に見えないところで膨大なエネルギーを消耗しているからです。
脳の負担
- 感覚過敏で、音・光・人の気配に常に神経を張り詰めている
- 会議や雑談で、表情を読んだり空気を察したりするのに全エネルギーを使う
- マルチタスクや急な変更に対応するだけで脳がフル回転
- 「普通」を演じ続けるために、常に緊張状態が続いている
心の負担
- 「また理解できなかった」「場違いなことを言ったかも」という自己嫌悪
- 周りが自然にできることができない罪悪感
- 深い関係を築くのが難しく、職場で孤立感を感じる
- 「何を考えてるかわからない」と言われる辛さ
カモフラージュによる隠れた疲労
ASD女性は、小さい頃から「周りに合わせる」ことを覚えて、表情や会話の方法を学んできました。
このカモフラージュ(マスキング)が、実は最も大きな疲労の原因になります。
- 本当の自分を隠して「普通の女性」を演じ続ける
- 愛想よく振る舞うために、感情を無理にコントロールする
- 人前では明るく見せて、一人になった瞬間にぐったりする
- 困っても誰かに頼れず、ひとりで抱え込んでしまう

【セルフチェック】あなたの疲労度はどのレベル?
以下の項目で、最近1ヶ月間のあなたの状態に当てはまるものをチェックしてみてください。
ASD女性の疲労度チェックリスト
□ 会議や雑談の後、ぐったりして動けなくなる
□ 帰宅すると何もできずにソファに倒れ込む
□ 予定変更があると一日中調子が悪い
□ 昼休みも人がいると休まらない
□ 休日も疲れが取れず、一日寝て過ごすことがある
□ 朝起きた時からすでに疲れている
□ 好きだった趣味にも興味が湧かない
□ 些細なことでイライラしやすくなった
□ 「私は社会に向いていない」と思うことがある
□ 他の人と比べて自分はダメだと感じる
□ 「もう限界かも」と思うことがある
□ 「普通」でいることに疲れた
□ 誰にも理解してもらえない気がする
チェック結果
🟢 0-4個:軽度の疲労
現在の状態:適度な疲労レベル。まだ対処可能な範囲内です。
おすすめ対策:感覚過敏対策(イヤホン等)や一人時間の確保から始めてみましょう。
🟡 5-9個:中度の疲労
現在の状態:疲労が蓄積しており、対策が必要なレベルです。
おすすめ対策:職場でのコミュニケーション方法を見直し、働き方の調整を検討しましょう。
🔴 10-13個:重度の疲労
現在の状態:深刻な疲労状態。環境の変更を検討すべきレベルです。
おすすめ対策:転職や働き方の大幅な見直し、専門家への相談を検討してください。

ラクに働くための5つの工夫
ここからは、ASD女性がラクに働くための具体的な工夫をご紹介します。
どれも「頑張らない」ことがポイント。無理をせず、自分の特性に合わせた方法を試してみてください。
① 感覚過敏対策で環境を整える
ASD女性の多くが感覚過敏を抱えており、これが日常的な疲労の大きな原因になっています。
- オフィスの蛍光灯がまぶしくて頭痛がする
- エアコンの音や人の話し声が気になって集中できない
- 洋服のタグや素材が肌に触れるのが不快
- 人の気配や視線を感じるだけで緊張してしまう
感覚過敏への対策をすることで、一日の疲労度が大幅に軽減されます。
具体的な対策例
聴覚過敏への対策
- ノイズキャンセリングイヤホンやイヤープラグを活用
- デスクの位置を静かな場所にしてもらう
- 集中したい時間帯を周りに伝えて、話しかけを控えてもらう
視覚過敏への対策
- PCの画面の明度を下げる、ブルーライトカットメガネを使用
- デスクライトで手元だけを照らし、蛍光灯の影響を軽減
- パーテーションなどで視界を遮り、人の動きが気にならないようにする
触覚過敏への対策
- 肌触りの良い素材の服を選ぶ、タグを切る
- 座りやすいクッションや背当てを用意
- 温度調節ができる羽織り物を常備
これらの配慮をお願いするのは恥ずかしいことではないです。
快適に働ける環境を整えることで、パフォーマンスも向上します。

② コミュニケーションの負担を軽くする
ASD女性にとって、職場でのコミュニケーションは大きなストレス源になります。
- 雑談に参加するのが苦手で、休憩時間が憂鬱
- 会議で発言するタイミングがわからない
- 相談がうまくできず、一人で抱え込んでしまう
- 曖昧な指示の意図がわからず、何度も確認してしまう
コミュニケーションの方法を工夫することで、この負担を大幅に軽くできます。
コミュニケーションをラクにする工夫
非言語コミュニケーションを活用
- 口頭での指示はメールやチャットでも送ってもらう
- 会議の議事録を詳しく取り、後で確認できるようにする
- 相談事はまずメールで要点を整理してから話す
雑談のストレスを軽減
- ランチは一人で食べてもOK
- 静かな場所で休憩を取る
会議や打ち合わせの工夫
- ボイスレコーダーで会議を録音しておく
- 発言内容を事前にメモしておく
- わからないことは「後で個別に確認させてください」と伝える
相談の仕方を変えてみる
「すみません、○○について相談があります。お時間のあるときに声をかけてください」
このように、まずは軽く声をかけるだけでも、相談のハードルが下がります。

③ 予定変更や曖昧さへの対処法を身につける
ASD女性は、急な予定変更や曖昧な指示に対応するのが苦手です。
- スケジュールが変わると頭が真っ白になる
- 「適宜」「状況に応じて」などの指示がわからない
- 優先順位がつけられず、何から手をつけていいかわからない
- 完璧にやろうとして、時間がかかりすぎてしまう
これらに対する具体的な対処法を身につけることで、混乱や不安を軽減できます。
予定変更への対処法
事前準備
- スケジュールは必ず手帳やアプリで視覚化する
- 重要な予定には「変更の可能性」も記載しておく
- 予備の時間を多めに確保しておく
変更時の対応
- 変更内容を必ず文字で確認する
- 新しいスケジュールを一度整理してから行動する
- 混乱したときは「少し整理する時間をください」と伝える
曖昧な指示への対処法
確認の仕方
- 「○○という理解で合っていますか?」と具体例で確認
- 「優先順位を教えてください」と明確に聞く
- 「締切はいつまでですか?」と期限を明確にする
作業の進め方
- 大きなタスクは小さく分解して、一つずつ進める
- 途中経過を定期的に報告して、方向性を確認
- 完璧を求めず、「まずは60%の完成度」を目指す

④ 一人の時間と空間を確保する
ASD女性にとって、一人になってホッとできる時間は必要不可欠です。
- 人といると気を遣いすぎて疲れてしまう
- 集中したいときに話しかけられると混乱する
- 休憩時間も人がいると休まらない
- 帰宅後は何もできないほど疲れ切っている
意識的に一人の時間を確保することで、エネルギーを回復できます。
職場での一人時間の確保
休憩時間の過ごし方
- 人の少ない場所でランチを取る
- 外に散歩に出て、一人の時間を確保
- 車の中や階段など、静かな場所で休憩
- イヤホンで音楽を聞いて、心を落ち着かせる
業務中の工夫
- 可能であれば個室や半個室のスペースを利用
- 在宅勤務の機会があれば積極的に活用
プライベートでのエネルギー回復
帰宅後のルーティン
- 帰ったらまず30分間、何もしない時間を作る
- お風呂にゆっくり浸かって、一日の疲れをリセット
- 好きな音楽を聞いたり、アロマを焚いたりしてリラックス
- スマホを見ずに、ぼーっとする時間を確保
週末の過ごし方
- 予定を詰め込みすぎず、ゆったりとした時間を確保
- 自分の特別な興味や趣味に没頭する時間を作る
- 人と会う予定は最小限にして、エネルギーを回復

⑤ 自分に合う働き方を積極的に選ぶ
これまでの工夫をしても疲労が続く場合は、働く環境そのものを見直すことも大切です。
ASD女性は、環境によって働きやすさが大きく変わります。
疲れやすい職場環境の特徴
- 常に騒がしく、感覚過敏を刺激する環境
- チームワークや協調性を過度に重視する職場
- 曖昧な指示や急な変更が日常的にある
- 飲み会や社内イベントへの参加が暗黙の義務
- 長時間労働が当たり前の職場文化
ASD女性に合いやすい働き方
理想的な働く環境
- 在宅勤務中心:感覚過敏や人間関係のストレスを大幅軽減
- 個人作業がメイン:自分のペースで集中して取り組める
- 明確な指示と手順:曖昧さが少なく、安心して作業できる
- 柔軟な勤務時間:フレックス制や時短勤務が可能
- 理解のある職場:特性への配慮が受けられる
環境を変える選択肢
今の職場での調整
- 上司に相談して、働き方の調整をお願いする
- 在宅勤務制度があれば積極的に活用
- 部署異動で、より個人作業中心の部署への移動を希望
- 時短勤務制度の利用を検討
転職による環境変更
- 在宅勤務を推進している企業への転職
- ASD女性の特性を活かせる職種への転職
- 障害者雇用での転職(診断がある場合)
- フリーランスとして独立
私自身も、合わない職場で消耗し続けた経験があります。
でも、勇気を出して環境を変えたことで、それまでの辛さが嘘のように楽に働けるようになりました。

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自分を責めない思考の工夫
ASD女性は、周りと比較して自分を責めてしまうことが多いです。でも、その思考パターンを少し変えるだけで、心がぐっとラクになります。
思考の切り替え方
自分を責める思考 → 建設的な思考
- 「また理解できなかった」→「次は具体的に確認してみよう」
- 「私は空気が読めない」→「私は素直で正直な人間だ」
- 「みんなと同じようにできない」→「私には私なりの強みがある」
- 「変わってると思われてる」→「個性的で面白い人だと思ってもらえてる」
小さな成功を積み重ねる
- 今日一日、工夫がうまくいったことを3つ挙げる
- 感覚過敏対策が効果的だったときは自分を褒める
- 完璧じゃなくても、「今日も一日お疲れさま」と自分をねぎらう
- 「できなかったこと」より「できたこと」に注目する

まとめ:「頑張らない工夫」こそが、あなたを守る力
ASD女性は、普通に働くだけでも、人一倍エネルギーを消耗しています。
だからこそ、「頑張らない工夫」こそが長く働き続けるための力になります。
ASD女性がラクに働くための5つの工夫
- 感覚過敏対策で環境を整える
- コミュニケーションの負担を軽くする
- 予定変更や曖昧さへの対処法を身につける
- 一人の時間と空間を確保する
- 自分に合う働き方を積極的に選ぶ
どの工夫も、すぐに完璧にできる必要はありません。
まずは一つだけ、試しやすいものから始めてみてください。小さな工夫の積み重ねが、ぐったり疲れる毎日を少しずつ変えていきます。
そして何より大切なのは、「自分はこれでいい」と思えること。
ASD女性には、集中力の高さ、正確性、真面目さ、独創性など、たくさんの素晴らしい特性があります。
苦手なことを無理に克服しようとするより、特性を活かして工夫する方がずっとラクに生きられます。
あなたが毎日疲れ切ってしまうのは、見えないところで人の何倍も頑張っているから。
その頑張りを認めて、自分を大切にしてあげてくださいね。


