

発達障害(ASD・ADHD)の診断がある方、またはグレーゾーンで「もしかして発達障害かも…」と感じている方にとって、転職は大きな決断です。
特に悩ましいのが「オープン(障害を開示)かクローズ(障害を隠す)か」という選択。
小さい頃から「周りに合わせる」ことを頑張ってきた女性ほど、「普通を演じ続けるべきか、本当の自分を理解してもらうべきか」で揺れ動いてしまいがちです。
でも実は、この選択に「正解」はありません。大切なのは、あなた自身が何を優先したいかを整理することです。
この記事では、オープン・クローズそれぞれのメリット・デメリットと、自分に合った働き方を見つけるための判断基準をお伝えします。
この記事でわかること
- オープン・クローズそれぞれのリアルなメリット・デメリット
- 発達障害女性が転職で直面しやすい悩みと解決策
- 自分に合った働き方を選ぶための判断基準
- グレーゾーン・診断済みそれぞれの転職活動の進め方

発達障害女性が転職で感じやすい迷いと不安
「なんとなく周りと違う」「みんなが普通にできることが難しい」と感じていても、それを開示するのには勇気があります。
- 「甘えているだけ」と思われるかも
- 「変わっている」と評価されてしまうかも
- 障害者雇用だと「能力が低い」と思われるかも
- 腫れ物扱いされるかも
特に、これまで「頑張り屋」「真面目」と評価されてきた女性ほど、障害を開示することに抵抗を感じやすいです。

自分で障害を受け入れるのにも抵抗があったので、さらに開示までするとなると、かなり迷いがありました。
オープン就労のメリット・デメリット
ここからは、障害を開示して働く「オープン就労」について詳しく見ていきましょう。
オープン就労のメリット
①必要な配慮を正式に受けられる
- 静かな席や個別スペースの提供
- 口頭指示だけでなく、書面やメールでの指示
- マルチタスクを避けた業務配分
- 通院や体調に合わせた勤務時間の調整
- 感覚過敏への環境調整(照明や音など)
②無理をしない働き方で長期安定
- 特性を理解してもらった上での業務分担
- 「できないこと」を隠さなくていい安心感
- ストレスが軽減されることで体調が安定
- 入社後のミスマッチを防ぎやすい
③専門的なサポートを受けられる
- ジョブコーチによる職場適応支援
- 定期的な面談やフォローアップ
- 困ったときの相談窓口が明確
オープン就労のデメリット
①求人数が限られる
- 障害者雇用の求人は一般求人より少ない
- 職種や業界の選択肢が狭くなる
- 希望する条件の求人が見つかりにくい場合も
②給与水準が低めになりやすい
- 一般雇用と比べて給与が低めに設定されることが多い
- 昇給や賞与の機会が限定的な場合もある
- 経済的な目標達成に時間がかかる
③キャリア形成が限定的になる場合も
- 昇進や部署異動の機会が少ない
- 専門スキルの幅を広げにくい環境もある
- 長期的なキャリアプランが描きにくい

クローズ就労のメリット・デメリット
次に、障害を開示せずに働く「クローズ就労」について見ていきましょう。
クローズ就労のメリット
①求人の選択肢が圧倒的に多い
- 全ての一般求人に応募可能
- 希望する職種・業界を自由に選べる
- 転職先の幅が広がる
②収入やキャリアアップの可能性が高い
- 一般雇用の給与水準で働ける
- 昇進や昇格のチャンスが豊富
- 専門スキルを活かしたキャリア形成が可能
- 転職を重ねてステップアップしやすい
③「普通の社員」として扱われる
- 特別扱いされることがない
- 同僚と対等な関係を築きやすい
- プライバシーを保てる
クローズ就労のデメリット
①配慮が一切受けられない
- 感覚過敏があっても環境調整してもらえない
- マルチタスクが苦手でも業務量は変わらない
- 口頭指示中心の職場でも自分で対応する必要がある
- 通院や体調不良への理解が得られにくい
②カモフラージュによる疲弊
- 常に「普通の人」を演じ続ける必要がある
- 本来のエネルギーを仮面をかぶることに使ってしまう
- 長期間続けると心身の疲弊が蓄積
- バーンアウトや適応障害のリスクが高まる
③孤立感や不安感が強くなりやすい
- 困っても誰に相談していいかわからない
- 「なぜ自分だけできないのか」と自己否定しやすい
- 職場で浮いている感覚が続く
- 早期離職につながるリスクがある

自分に合った働き方を選ぶための判断基準
オープンとクローズ、どちらを選ぶべきか迷ったときは、以下のポイントを整理してみましょう。
①あなたが最も重視したいことは何ですか?
安心・安定を最優先にしたい場合
- 長期的に働き続けられる環境がほしい
- 無理をせず、自分らしく働きたい
- 配慮を受けながら安心して働きたい
→ オープン就労が向いている可能性が高い
収入・キャリアを重視したい場合
- やりたい職種や業界で働きたい
- 収入アップを実現したい
- キャリアアップを目指したい
→ クローズ就労が向いている可能性が高い
②現在の困りごとは配慮があれば解決しますか?
配慮で解決できそうな困りごと
- 雑音が多いと集中できない
- 口頭指示だけだと理解が難しい
- マルチタスクでパニックになる
- 人前で話すのが極度に苦手
これらは職場の配慮で大幅に改善できるため、オープン就労の効果が高いです。
環境を変えれば解決できそうな困りごと
- 上司との相性が悪い
- 業務内容が自分に合わない
- 職場の雰囲気が合わない
- 通勤時間が長すぎる
これらは転職先を慎重に選ぶことで改善できるため、クローズ就労でも解決の可能性が高いです。
③体力・精神力に余裕はありますか?
クローズ就労に必要な条件
- カモフラージュを続けられる体力・精神力がある
- 自分なりの対処法や工夫を見つけるのが得意
- 困ったときに一人で解決策を考えられる
- ストレス発散方法を持っている
これらに当てはまらない場合は、無理をせずオープン就労を検討することをおすすめします。
④経済的な状況はどうですか?
- 収入が下がっても生活に支障がない場合 → オープンも選択しやすい
- 収入を維持・向上させる必要がある場合 → クローズを検討
- 家族の理解とサポートがある場合 → どちらも選べる

転職活動の進め方:グレーゾーン・診断済み別のアプローチ
実際に転職活動を始めるとき、あなたの状況に応じて最適なアプローチが変わります。
グレーゾーンの方におすすめの進め方
「もしかして発達障害かも…」と思っている段階では、まず一般転職エージェントを活用して働きやすい環境を探すのがおすすめです。
一般転職エージェントの活用ポイント
- 在宅ワーク可能な求人を優先的に紹介してもらう
- 個人作業中心の職種を希望として伝える
- 少人数職場や静かな環境を条件に入れる
- フレックス制度のある企業を探してもらう
グレーゾーンの方におすすめの転職エージェント
- リクルートエージェント:在宅勤務可能な求人数が業界No.1
- doda:女性の働きやすさを重視した求人が豊富
- マイナビ:一人ひとりに寄り添う丁寧なサポート
診断済みの方におすすめの進め方
発達障害の診断がある方は、障害者雇用専門の転職エージェントと一般転職エージェントの両方を活用して比較検討するのがおすすめです。
障害者雇用専門エージェントの活用ポイント
- 特性に応じた配慮事項を具体的に相談
- 職場環境の詳細を事前に確認してもらう
- 入社後のサポート体制も含めて検討
- 企業の障害者雇用実績を確認
診断済みの方におすすめの障害者雇用専門エージェント
- dodaチャレンジ
:初めての障害者雇用転職に手厚いサポート - atGP
:在宅勤務や柔軟な働き方の求人が豊富 - マイナビパートナーズ
:大手企業・特例子会社の求人に強い
クローズでの転職も検討したい場合
診断があってもクローズでの転職を検討したい場合は、一般転職エージェントも併用しましょう。
- 複数のエージェントに登録して求人を比較
- 職場環境について詳しく確認
- 在宅ワークや個人作業中心の求人を優先
- 面接では特性について触れず、働き方の希望として伝える

転職活動で大切にしたい3つのポイント
オープン・クローズどちらを選ぶにしても、転職活動で意識したい大切なポイントがあります。
①完璧を求めすぎない
全ての条件が揃った「完璧な職場」を探す必要はありません。
- 「絶対に譲れない」条件が満たされていればOK
- 70点の職場でも、今より働きやすければ成功
- 環境は入社後に少しずつ改善していくこともできる
②自分のペースで進める
転職活動は体力と精神力を使います。無理をせず、自分のペースで進めましょう。
- 疲れたら休憩を取る
- 一度にたくさんの企業に応募しない
- エージェントに不安を正直に伝える
- 信頼できる人に相談する
③「逃げ道」を作っておく
「転職に失敗したらどうしよう」という不安を軽減するため、事前に安心材料を用意しておきましょう。
- 今の仕事を続けながら転職活動をする
- 貯金を確保しておく
- 派遣や契約社員から始めることも選択肢に入れる
- 最悪の場合は再度転職活動をすればいいと考える
まとめ:自分らしく働ける道を選ぶために
発達障害の特性がある女性にとって、オープンかクローズかの選択は人生を大きく左右する重要な決断です。
選択のポイントまとめ
- 安心・安定重視
→ オープン就労(障害者雇用) - 収入・キャリア重視
→ クローズ就労(一般雇用) - 配慮が必要な困りごとが多い
→ オープン就労 - 環境を変えれば解決できそう
→ クローズ就労 - グレーゾーン
→ まず一般転職エージェントで環境重視の転職 - 診断済み
→ 両方のエージェントに相談して比較検討
どちらを選んでも、「間違い」はありません。
大切なのは、あなた自身が納得できる選択をすることです。
わたしの場合はオープン・クローズどちらも経験しましたが、最終的にオープンで自分に合う仕事に出会えました。

失敗体験も成功体験もどちらも↓の記事に書いているので、ぜひ読んでみてくださいね。

