はじめて障害者雇用に応募するとき、履歴書や職務経歴書に書く「配慮事項」の部分で手が止まったことはありませんか?

でも、あいまいに書くと伝わらない気がする…
そんなふうに悩む方は少なくありません。
でも、配慮事項は「弱点の告白」ではなく、企業とあなたが長く安心して働くための情報です。
しっかりと整理して書くことで、企業は入社後の働きやすさをイメージでき、結果的にあなたに合った職場と出会いやすくなります。
逆に、あいまいなまま応募すると、入社後にミスマッチが起きてしまうことも。
この記事では、
- 配慮事項を書く前に整理しておくこと
- 応募書類での正しい書き方と例文
- 履歴書・職務経歴書のどこに書くか
を、初めての方でもわかるようにやさしく解説します。

そもそも「配慮事項」とは?
障害者雇用で応募するとき、履歴書や職務経歴書に「配慮事項」や「障害に関する希望」などを書くことになります。
ここに書く内容は、あなたが安心して働くために、会社にお願いしたい環境や工夫のことです。
たとえば、こんな内容が配慮事項にあたります。
- 周囲の雑音が気になるので、静かな席で作業したい
- 口頭だけでなく、メモやメールで指示をもらえると助かる
- 通院のため、月に1回は平日午前だけ休みたい
企業にとって、配慮事項は「この人がどうすれば長く働けるか」を理解するための大事な情報です。
応募の段階でしっかり伝えておくことで、入社後のミスマッチや早期退職を防ぐことができます。
ここで大切なのは、「弱点の告白」ではなく「働きやすくなる工夫」を伝える場だということ。
「電話が苦手です」「集中できません」など”できないことだけ”を書いてしまうと、企業はどう対応すればよいか分からず、かえって不安に思われることもあります。

書く前にやるべき自己整理
配慮事項を書くときに一番大事なのは、まず自分の特性をしっかり理解することです。
ここが整理できていないと、応募書類に何を書けばいいのか迷ってしまいます。
自己分析チェックリスト
まずは、自分にどんな特性があるかチェックしてみましょう。
□ 雑音や話し声が気になる(聴覚過敏)
□ 蛍光灯やPC画面がまぶしい(視覚過敏)
□ 人の多い場所が苦手
□ 特定の音や匂いで集中できない
コミュニケーション特性チェック
□ 口頭説明だけでは理解が追いつかない
□ 対面での会話が緊張する
□ 電話対応が苦手
□ 雑談に入るタイミングがわからない
作業特性チェック
□ マルチタスクが困難
□ 急な予定変更に対応しにくい
□ 集中すると周りが見えなくなる
□ 疲れやすく、休憩が必要
その他
□ 定期的な通院が必要
□ 服薬による眠気がある
□ 体調に波がある
過去の経験から困りごとを整理する
チェックした項目について、具体的にどんな場面で困ったかを思い出してみましょう。
・どんなときに作業が進みにくかったか
・失敗やミスが多かった場面はどんな環境だったか
・どんな配慮があればうまくできたか
たとえば、
- 電話対応中に周りの雑音で集中できなかった
- 複数人から次々に指示が来ると混乱した
- 口頭の説明だけでは理解が追いつかなかった
など、具体的に書き出してみると、自分の「働きにくさの原因」が見えてきます。
自分でできる工夫と、お願いしたいことを分ける
次に考えたいのは、どこまで自分で工夫できるかです。
たとえば、
- 雑音が気になる → ノイズキャンセリングイヤホンを使う
- 口頭説明が苦手 → まずは自分でメモをとる
このように、自分でできる工夫を明確にしたうえで、どうしても対応できない部分だけを会社にお願いすると、企業も受け入れやすくなります。
現実的な範囲でまとめる
最後に、お願いしたい配慮事項を絞り込みましょう。
ここで大切なのは、現実的に会社が対応できる範囲で考えることです。
△「完全個室で仕事をしたい」→対応が難しい場合が多い
⭕「できるだけ静かな席を希望」→対応できる可能性が高い
あくまで「長く働くために必要なこと」を整理し、シンプルにまとめるのがコツです。
応募書類への書き方と例文
配慮事項は、履歴書や職務経歴書で簡潔に伝えることが大切です。
企業はここを読んで、「どのように配慮すればこの人が安心して働けるか」をイメージします。
基本的な書き方のルール
- 簡潔・具体的に書く
- 「お願い+理由+効果」のセットにする
- できないことだけでなく、工夫や働きやすくなる方法を書く
履歴書と職務経歴書の使い分け
「聴覚過敏のため静かな環境を希望」(20文字程度)
職務経歴書:詳細を記載できるため、理由と効果も含めて説明
「■配慮事項
周囲の雑音で集中が途切れることがあるため、ノイズキャンセリングイヤホンの使用をお願いいたします。静かな環境では継続して作業に集中できます。」
職務経歴書での基本フォーマット
職務経歴書の最後に、以下のような形でまとめます。
・〜〜のため、○○していただけると助かります。
・〜〜の工夫をしていただくと、安定して業務に取り組めます。
配慮事項の例文集
以下に、実際の応募書類にそのまま使える形で例文をまとめました。

聴覚過敏(音に敏感な場合)
周囲の雑音で集中が途切れることがあります。ノイズキャンセリングイヤホンを使用させていただけると安定して作業できます。
視覚過敏(光に敏感な場合)
蛍光灯の光で目が疲れやすい特性があります。デスクライトの使用や座席の調整をお願いできれば、長時間の作業も問題なく行えます。
聴覚情報処理が苦手(口頭説明が理解しにくい場合)
口頭説明のみでは理解が追いつかないことがあります。メモやメールで指示を併用いただけると正確に作業できます。
マルチタスクが苦手(同時進行が難しい場合)
複数業務を同時進行すると混乱しやすいです。作業をひとつずつ割り振っていただけると正確に進められます。
コミュニケーション特性(対面会話が苦手な場合)
対面での相談は緊張してうまく話せないことがあります。メールやチャットでのやり取りを併用いただけると円滑にコミュニケーションできます。
体調管理(疲れやすさがある場合)
集中力を維持するため定期的な休憩が必要です。1時間に5分程度の小休憩をとらせていただけると、一日を通して安定したパフォーマンスを発揮できます。
通院が必要な場合
月1回、主治医の診察のため平日午前の通院が必要です。半日休暇をいただけると安定して勤務を続けられます。
書いてはいけないNG例
配慮事項でよくある失敗例をまとめました。
❌「電話が苦手です」
❌「集中できません」
❌「人とのコミュニケーションができません」
❌「完全個室でないと働けません」
❌「ストレスに弱いです」
⭕「電話対応時は雑音を避けられる環境でお願いします」
⭕「静かな環境では集中して作業できます」
⭕「メールでのやり取りなら円滑にコミュニケーションできます」
⭕「人通りの少ない席を希望します」
⭕「定期的な休憩で体調を管理しています」
注意すべきポイント
- できないことだけを書かない:必ず「どうすればできるか」もセットで
- 長文で背景説明をしすぎない:簡潔に要点をまとめる
- 現実的に難しいお願いは避ける:企業が対応できる範囲で考える

まとめ|配慮事項は「働きやすくなる工夫」として伝えよう
配慮事項は、弱みをさらすためのものではなく、長く安心して働くための工夫です。
自分の特性を整理し、簡潔で具体的に伝えることで、企業も入社後のイメージを持ちやすくなります。
- 自分の働きにくさを振り返る
- 自分でできる工夫と、会社にお願いしたいことを分ける
- 「お願い+理由+効果」の形で簡潔に書く
この3ステップを押さえておけば、配慮事項はあなたが長く安心して働くための強い味方になります。
配慮事項の書き方で迷ったら、障害者雇用専門の転職エージェントに相談するのもおすすめです。
エージェントは多くの障害者雇用の事例を知っているので、
- 企業が受け入れやすい表現方法
- 業界や職種に応じた配慮事項の伝え方
- 面接で詳しく説明する際のコツ
なども具体的に教えてくれます。
私自身もエージェントに相談したことで、「この配慮は企業が受け入れやすいですよ」とアドバイスをもらい、安心して応募できました。
配慮事項を正しく伝えられれば、入社後の働きやすさはぐんと上がります。

