

就労移行支援で頑張って訓練を続けてきたあなたが、いよいよ就職活動を始めるとき。
「この期間を履歴書にどう書けばいいの?」という悩みが出てきますよね。
発達障害(ASD・ADHD)のある女性は、特に「どう思われるか」が気になって、履歴書の書き方でも不安になりがちです。
- 「就労移行支援って書いたら、変な目で見られるかも」
- 「でも書かないと空白期間になって、それも印象悪そう」
- 「頑張って通ったのに、アピールできないのはもったいない」
- 「オープンとクローズで書き方を変えるべき?」
実は、就労移行支援での経験は「あなたの成長と努力の証明」になる大切な履歴です。

就労移行支援の履歴書記載:基本的な考え方
就労移行支援は「成長の証明」
まず大切なことは、就労移行支援での経験を「ネガティブなもの」として捉える必要はないということです。
むしろ、働くための準備を真剣に取り組んだ「前向きな期間」として考えましょう。
発達障害女性が陥りがちな思考パターン
❌ ネガティブな捉え方
- 障害があることがバレてしまう
- 普通じゃないと思われる
- 能力が低いと判断される
- 就職できない人だと見られる
⭕ ポジティブな捉え方
- 働くための準備をしっかりしてきた
- 自分の特性を理解して対策を考えている
- 継続して通い続ける力がある
- 新しいスキルを身につけている
オープン就労とクローズ就労での違い
履歴書への記載方法は、障害をオープンにするかクローズにするかで変わってきます。
オープン就労の場合
- 就労移行支援での経験を堂々とアピールできる
- 企業側も配慮やサポートを前提に採用を検討
- 訓練で身につけたスキルを具体的に伝えられる
クローズ就労の場合
- 書いてしまうと、発達障害の開示が必要
- 就労移行支援について説明が難しい
- 書かない場合、空白期間ができてしまう

オープン就労での履歴書記載方法
「訓練歴」として堂々と記載する
オープン就労を選択する場合、就労移行支援での経験は積極的にアピール材料として活用しましょう。
履歴書での基本的な書き方
記載場所:学歴・職歴欄
- 職歴の最後に一行空ける
- 「訓練歴」という見出しを付ける
- 事業所名、期間、訓練内容を簡潔に記載
具体的な記載例
記載例
令和5年4月 就労移行支援事業所○○○○ 利用開始
事務スキル向上コースにて、PCスキル・ビジネスマナーを習得
令和6年2月 就労移行支援事業所○○○○ 利用終了
ポイント
・期間:開始月と終了月を明記
・事業所名:正式名称を記載
・内容:応募職種に関連するスキルを中心に簡潔に
発達障害女性がアピールしやすいポイント
就労移行支援での経験の中で、特に女性がアピールしやすい要素をまとめました。
継続力・安定性のアピール
アピールできる要素
- 通所の継続:「6ヶ月間、無遅刻無欠席で通所」
- 生活リズム:「規則正しい生活習慣の確立」
- 目標達成:「設定した目標を期間内に達成」
- 自己管理:「体調管理や服薬管理の安定」
コミュニケーション能力のアピール
「グループワークでは、他の利用者の方と協力して課題に取り組み、
チームワークの大切さを学びました。
また、スタッフの方への報告・連絡・相談を通じて、
適切なコミュニケーションの取り方を身につけました。」
訓練内容を魅力的に伝える方法
スキル系の訓練
効果的な表現例
- PC スキル:「Excel関数を活用したデータ処理技術を習得」
- 事務スキル:「正確性を重視した書類作成・ファイリング技術」
- コミュニケーション:「ビジネスマナーと報連相スキルの向上」
- 集中力:「長時間の集中作業に対する持続力の向上」
自己理解・対策系の訓練
❌「障害の特性を理解しました」
⭕「自分の強みと課題を客観的に把握し、効果的な働き方を見つけました」
❌「配慮が必要なことを学びました」
⭕「最適なパフォーマンスを発揮するための環境や工夫を明確にしました」
クローズ就労での履歴書記載方法
基本的な方針:記載しない方が無難
クローズ就労を選択する場合、就労移行支援については履歴書に記載しないことをお勧めします。
記載しない理由
- 質問される可能性:面接で詳しく聞かれることがある
- 説明の難しさ:障害に触れずに説明するのが困難
- 誤解のリスク:採用担当者が制度を理解していない場合
- 選択の自由:履歴書に書く義務はない
空白期間の説明方法
就労移行支援を記載しない場合、その期間をどう説明するかが重要です。
自然な説明例
- スキルアップ重視の説明
「PCスキル向上のため、資格取得に向けた学習に専念していました」
「次のキャリアに向けて、事務スキルの習得に取り組んでいました」 - 体調管理重視の説明
「体調を整えて、長期的に安定して働ける準備をしていました」
「規則正しい生活習慣を身につけ、仕事への準備期間としていました」 - 家庭事情重視の説明
「家族のサポートが必要で、一時的に働くことを控えていました」
「家庭の事情が落ち着き、本格的に仕事復帰を考えています」
面接での質問対策
よく聞かれる質問と回答例
「この期間は何をしていましたか?」
⭕ 良い回答例
「事務職での就職を目指し、PCスキルの向上に集中していました。
ExcelやWordの資格取得に向けて学習し、
現在は実務に活かせるレベルまで習得できています。
体調も安定し、長期的に働ける準備が整いました。」
ポイント
- 具体的な活動内容を説明
- 現在は問題なく働けることを強調
- 前向きな姿勢をアピール
避けるべき回答
❌ 避けたい回答例
- 「特に何もしていませんでした」
- 「体調が悪くて働けませんでした」
- 「就職活動がうまくいかなくて…」
- 曖昧で具体性のない説明

職務経歴書での詳細なアピール方法
履歴書と職務経歴書の役割分担
オープン就労の場合、より詳しい訓練内容やスキルは職務経歴書で具体的にアピールしましょう。
それぞれの役割
履歴書
- 基本的なプロフィール
- 経歴の概要(期間・事業所名・概要)
- 一目で分かる情報
職務経歴書
- 詳細なスキルや経験
- 具体的なエピソードや成果
- 自己PRや強みのアピール
職務経歴書での効果的な書き方
訓練歴セクションの作成
職務経歴書での記載例
■ 訓練歴・スキル習得歴
【期間】2023年4月~2024年2月(10ヶ月間)
【事業所】就労移行支援事業所○○○○
【コース】事務スキル向上コース
【習得したスキル】
・Excel:関数(VLOOKUP、IF文等)を使用したデータ処理
・Word:ビジネス文書作成、レイアウト調整
・PowerPoint:見やすい資料作成技術
・ビジネスマナー:電話応対、メール作成、報連相
【取り組んだ内容】
・模擬オフィスでの実務訓練(週5日、6時間)
・グループワークでのチームワーク向上
・定期的な面談での目標設定と振り返り
・企業実習での実践経験(2週間)
【成果・成長】
・タイピング速度:20%向上(分/200文字→250文字)
・10ヶ月間の無遅刻無欠席達成
・利用者同士のサポート役を担当
・実習先企業から「丁寧で正確な作業」と評価
数字を使った具体的なアピール
数値化できる成果例
- 通所実績:「10ヶ月間、遅刻・欠席なく通所」
- スキル向上:「タイピング速度○○%向上」
- 資格取得:「MOS Excel Expert取得」
- 実習評価:「実習先で『正確性』を評価される」
発達障害女性特有の不安への対処法
「どう思われるか」の不安を軽減する
よくある不安とその対処法
対処法:オープン就労では、企業も障害への理解がある前提。
むしろ準備をしっかりしてきた人として評価される。
対処法:就労移行支援は能力向上の場。
実際に身につけたスキルを具体的に伝える。
対処法:事前に想定問答を準備し、練習しておく。
事業所のスタッフにも相談してアドバイスをもらう。
履歴書作成のステップバイステップガイド
STEP1:方針を決める
- オープン就労かクローズ就労かを決める
- 就労移行支援を記載するかどうかを決める
- アピールしたいポイントを整理する
- 応募する職種に合わせた内容を考える
STEP2:情報を整理する
- 就労移行支援の期間を正確に把握
- 事業所の正式名称を確認
- 訓練内容を応募職種に関連する内容で整理
- 具体的な成果や数字をまとめる
STEP3:実際に記載する
- 学歴・職歴欄に「訓練歴」として記載(オープンの場合)
- 簡潔で分かりやすい表現を心がける
- 職務経歴書での詳細な説明も準備
- 面接での質問を想定した回答も準備
STEP4:確認・修正
- 事業所スタッフに内容を確認してもらう
- 誤字脱字がないかチェック
- 応募企業に合わせた微調整
- 家族や信頼できる人にも見てもらう

まとめ:就労移行支援は自信を持ってアピールできる経験
大切なポイントのおさらい
オープン就労の場合
- 就労移行支援での経験を積極的にアピール
- 「訓練歴」として履歴書に記載
- 継続力・スキル・成長を具体的に伝える
- 職務経歴書で詳細な内容を補足
クローズ就労の場合
- 履歴書には記載しない方が無難
- 空白期間の説明を事前に準備
- 現在は安定して働けることを強調
- 前向きで具体的な説明を心がける
就労移行支援は「成長の証明」
就労移行支援での期間は、決して「マイナスの経歴」ではありません。
働くための準備を真剣に取り組み、実際にスキルアップした貴重な経験です。
あなたが証明できること
- 目標に向かって継続する力
- 新しいスキルを習得する能力
- 自分を客観視して改善する姿勢
- チームワークやコミュニケーション能力
- 安定して働くための準備ができていること
不安は自然なこと
履歴書の書き方で不安になるのは、とても自然なことです。
特に発達障害女性は「どう思われるか」を気にしがちですが、あなたの努力と成長は必ず伝わります。

履歴書作成で困ったら専門家に相談を
履歴書の書き方で迷ったときは、一人で悩まずに専門家に相談することをお勧めします。
相談できる専門家
- 就労移行支援事業所のスタッフ:あなたの成長を一番よく知っている
- 転職エージェント:多くの履歴書を見てきた書類作成のプロ
- ハローワークの相談員:障害者雇用に詳しい専門職員
- 発達障害者支援センター:特性を理解した就労支援の専門家
専門家に相談するメリット
- 客観的なアドバイス:自分では気づかない良い点を教えてもらえる
- 実例に基づく指導:成功例を参考にした具体的なアドバイス
- 不安の解消:専門家からの励ましで自信を持てる
- 継続的なサポート:履歴書作成から面接対策まで一貫したサポート



