

転職活動を始めたとき、こんなふうに手が止まってしまったことはありませんか?
私自身、ASDとADHDの診断があり、これまで3回の転職を経験してきました。
最初は職歴をただ並べただけの書類を作ってしまっていましたが、しっかり職務経歴書を作り込んでいくうちに、書類選考の通過率が格段に上がりました。
職務経歴書は単なる履歴の一覧ではなくて、あなたの経験やスキルを、企業にわかりやすく伝える「プレゼン資料」です。
この記事では、私の体験もふまえて、
- 発達障害特有の悩みに対応した書き方
- 転職回数・ブランク・配慮事項の扱い方
- 書類選考の通過率を上げるコツ
- 実際に私が使ったサンプル
を詳しく解説していきます。
「書類選考がなかなか通らない」「何から始めればいいかわからない」という方も、きっと「これなら出せる!」という自信を持てるようになります。

職務経歴書とは?発達障害の人が知っておくべきポイント
職務経歴書の役割
職務経歴書は、履歴書では伝えきれない「あなたの仕事力」を具体的に説明する書類です。
- 履歴書:基本情報と経歴の概要
- 職務経歴書:具体的な業務内容・スキル・実績
採用担当者は職務経歴書を読んで、「この人はうちの仕事ができそうか」を判断します。
発達障害の人が特に意識したいポイント
職務経歴書で大切なのは、「できること」を中心にポジティブに伝えることです。
詳細な困りごとや過去のトラブルは書かず、あなたの強みや工夫、継続して働ける根拠を中心にまとめましょう。
基本方針は「できることを中心に、前向きに」です。
配慮が必要な場合は、別途「私の障害について」として整理し、面接で説明するのがおすすめです。

書く前にやる自己理解3ステップ
職務経歴書を書く前に、まずは自分の経験を整理しましょう。
この作業をすることで、より説得力のある職務経歴書が作成できます。
ステップ1:経験の棚卸しをする
これまでの職歴を思い出し、以下の項目で整理してみましょう。
整理したい項目
- 会社名・部署・在籍期間
- 主な業務内容
- 使用したツールやソフト
- うまくいった取り組み
- 身につけたスキル
- 周りから評価されたポイント
短期間で辞めた職場も含めてすべて書き出します。後で取捨選択するので、まずは洗い出しが大切です。
ステップ2:強みと特性を整理する
発達障害の特性も含めて、自分の強みを整理します。
発達障害の特性も強みとして整理できます。
ASDタイプ:ルーティンワークが得意、細かい作業に集中できる、手順通りに正確に進められる
ADHDタイプ:興味のあることには高い集中力、新しいアイデアを思いつく、変化に柔軟に対応できる
ステップ3:課題と解決策をセットで考える
転職回数が多い、ブランクがある、短期離職があるなどの課題がある場合は、その理由と改善策をセットで整理しておきます。
よくある課題と説明例
転職回数が多い場合
→ 「自分に合う環境を見つけるため」「スキルアップのため」
ブランク期間がある場合
→ 「体調管理のため」「スキル向上のための学習期間」
短期離職の場合
→ 「業務内容のミスマッチ」「より適性のある仕事を見つけるため」
ネガティブな理由も、前向きな表現に変換することがポイントです。

職務経歴書の構成と書き方
職務経歴書は以下の5つの項目で構成するのが基本です。
- 職務要約
- 職務経歴
- スキル・資格
- 自己PR
- 配慮事項(必要な場合のみ)
それぞれの書き方を詳しく見ていきましょう。
① 職務要約(200〜300文字)
職務要約は職務経歴書の「顔」となる部分。採用担当者が最初に目にする重要な箇所です。
書く内容
- これまでの経験年数と主な職種
- 身につけたスキルや強み
- 今後活かしたい能力
書き方のコツ
- 結論から書く(何年間、どんな仕事をしてきたか)
- 数字を入れる(年数、件数など)
- 前向きな表現で締める
職務要約の例文
例①:事務職経験者の場合
大学卒業後、事務職として約4年間勤務してきました。データ入力、資料作成、電話対応などを担当し、特にExcelを使った集計作業や正確性を要する業務で評価をいただきました。集中して取り組む作業を得意としており、これまでの経験を活かして貴社の事務業務に貢献したいと考えています。
例②:転職回数が多い場合
これまで5年間で3社の事務職を経験し、幅広い業務に携わってきました。データ管理、顧客対応、在庫管理など多様な業務を通じて、柔軟性と対応力を身につけました。様々な環境での経験を活かし、安定して長期的に貢献できる職場を求めています。
② 職務経歴
職務経歴は職務経歴書のメイン部分。具体的な業務内容と実績を伝える重要な箇所です。
書く内容
- 会社名・業種・規模
- 在籍期間
- 所属部署・役職
- 主な業務内容
- 実績や工夫した点
転職回数が多い場合の書き方
3社以上ある場合は、重要度に応じて詳細度を調整します。
転職回数が多い場合は、3社以上なら重要度に応じて詳細度を調整します。
- 詳しく書く職歴:
在籍期間が長い、応募職種に関連性が高い、具体的な実績がある - 簡潔に書く職歴:
在籍期間が短い、応募職種との関連性が薄い、業務内容が似ている
職務経歴の例文
株式会社○○(従業員数100名・IT企業)
2022年4月〜2024年3月(2年)
所属:総務部 職位:一般職
【主な業務】
・社員の勤怠管理、給与計算補助
・備品管理、オフィス環境整備
・来客対応、電話対応
・社内会議の資料作成、議事録作成
【実績・工夫】
・Excel関数を活用した勤怠集計で作業時間を30%短縮
・備品管理表をデジタル化し、在庫状況の把握を効率化
・議事録作成では要点を整理し、読みやすい形式で統一
簡潔に書く場合(サブ職歴)
株式会社△△(従業員数50名・製造業)
2021年8月〜2022年2月(6ヶ月)
所属:経理部 職位:契約社員
【主な業務】
・伝票入力、データ整理
・請求書作成補助
③ スキル・資格
応募職種で活かせるスキルや資格を中心に記載します。
書く内容の例
PCスキルや資格を応募職種に合わせて記載しましょう。
Excel(VLOOKUP、ピボットテーブル使用可能)、Word(文書作成、図表挿入可能)
資格例:
MOS Excel、日商簿記3級、普通自動車第一種運転免許
その他のスキル例:
オンラインツール(Zoom、Slack)、在宅勤務での業務経験、タスク管理
④ 自己PR
自己PRでは、あなたの強みを具体的なエピソードとともに伝えます。
詳しい書き方については、自己PRの記事で詳しく解説しているので、ここでは例文だけをご紹介します。
自己PRの例文
例①:集中力・正確性をアピール
私の強みは、集中して正確な作業を継続できることです。前職では月次データの集計作業を担当し、1年間ミスゼロを継続できました。一つの作業に集中して取り組むことで、品質の高い成果物を提供できます。
例②:継続学習・改善意識をアピール
私は新しいことを学び、業務を改善することに意欲的です。独学でExcelの関数を習得し、前職では作業効率化に貢献しました。常に「もっと良い方法はないか」を考えながら業務に取り組んでいます。
⑤ 配慮事項(必要な場合のみ)
障害者雇用で応募する場合や、配慮が必要な場合のみ記載します。
雇用形態によって配慮事項の記載を判断しましょう。
障害者雇用:簡潔に記載し、詳細は別紙「私の障害について」で説明。
グレーゾーン:記載しない。働きやすい環境については面接で相談。
配慮事項の記載例(障害者雇用の場合)
精神障害者保健福祉手帳2級/自閉症スペクトラム障害
静かな環境で集中して取り組む作業を得意としています。必要な配慮については別紙「私の障害について」に記載しております。
職務経歴書のサンプル

ほとんど実際に使ったものと同じです。

書類の改善と最終チェック
職務経歴書は一度書いたら終わりではありません。ブラッシュアップすることで、選考通過率が大きく変わります。
改善のポイント
① 読みやすさを意識する
- A4で2〜3枚以内に収める
- 見出し・箇条書き・余白を使って視覚的に整理
- 一文一義で簡潔に書く
② 数字・実績を盛り込む
数字で表現できる実績があると印象がアップします。
・○年間継続して業務を担当
・月○件のデータ入力を処理
・ミスゼロを○ヶ月継続
・作業時間を○%短縮
・○人チームの一員として業務遂行
③ 応募企業に合わせて調整
- 求人票のキーワードを自然に盛り込む
- 関連性の高い経験を前面に出す
- 企業が求める人物像に合わせて自己PRを調整
最終チェックの3ステップ
- 自分でチェック:誤字脱字・表現の自然さを確認
- 第三者にチェック:転職エージェント・家族・友人に相談
- 音読チェック:声に出して読み、違和感がないか確認
よくあるQ&A
Q1. 職歴が少なくて書くことがありません…
A. アルバイト経験やボランティア、学習経験も含めて大丈夫です。
職歴が少ない場合は、以下も記載できます:
- 長期アルバイト経験
- インターンシップ
- 職業訓練
- 資格取得や学習への取り組み
- ボランティア活動
Q2. 短期間で辞めた職歴は書かない方がいいですか?
A. 3ヶ月未満は省略、6ヶ月未満は簡潔に書くのがおすすめです。
- 3ヶ月未満:基本的に記載不要
- 3〜6ヶ月:簡潔に記載(1〜2行程度)
- 6ヶ月以上:通常通り記載
ただし、その職歴で得た経験やスキルが応募職種に直結する場合は、短期間でも記載する価値があります。
Q3. 転職理由をどう説明すればいいですか?
A. 職務経歴書には転職理由は書かず、面接で前向きに説明しましょう。
面接ではこのような表現で説明すればOKです。
「より自分の適性を活かせる環境を求めて」「新しいスキルを身につけるため」「長期的にキャリアを築ける職場を探すため」「自分に合った働き方を見つけるため」
Q4. 特性や配慮についてどこまで書くべきですか?
A. 雇用形態と状況に応じて判断しましょう。
・職務経歴書には基本的に記載しない
・面接で働きやすい環境について相談
障害者雇用の場合
・職務経歴書には簡潔に記載
・詳細は別紙「私の障害について」で説明
グレーゾーンの場合
・職務経歴書には記載しない
・入社が決まってから必要に応じて相談
Q5. 在宅ワークの経歴はどう伝えればいいですか?
A. スキル・経験として自然に盛り込みましょう。
- 「在宅勤務経験○年」をスキル欄に記載
- 「オンラインツールでのコミュニケーション経験」をアピール
- 「リモートワークでの業務遂行能力」を自己PRで表現
転職エージェントの活用法
職務経歴書は、転職エージェントと一緒に作ると完成度が格段に上がります。
エージェントと一緒に作るメリット
- 客観的な視点でアドバイスをもらえる
- 企業目線での魅力的な表現を教えてもらえる
- 応募企業に合わせたカスタマイズができる
- 書類選考の通過率が向上する

エージェントについては、ここで書くと長くなってしまうので、気になる方は↓の記事を読んでみてください。
まとめ:あなたの経験を価値に変える職務経歴書を作ろう
職務経歴書は、あなたの経験・スキル・強みを企業に伝える「プレゼン資料」です。
発達障害の特性がある人だからこそ、丁寧で正確な作業、コツコツ続ける力、真面目な姿勢など、多くの企業が求める強みを持っています。
転職回数が多くても、ブランクがあっても、それらは「自分に合う環境を探し続けた結果」として前向きに捉えることができます。
大切なのは、あなたの経験を価値に変えて伝えること。
完璧を目指さず、まずは一歩ずつ、あなたらしい職務経歴書を作ってみてください。


